市民に芸術や伝統、歴史に触れてもらうほか、ミュージアム間の連携作りなどを目的に福岡市が2009年度に始めた事業で、博物館や美術館の役割を知ってもらおうと5月18日に制定された「国際博物館の日」の時期に合わせて開く。
初年度は福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園)、福岡市博物館(早良区百道浜3)、福岡アジア美術館(博多区下川端町)の3館だった参加施設も徐々に増え、今年は福岡県立美術館(天神5)、はかた伝統工芸館(博多区上川端町)、福岡市埋蔵文化財センター(博多区井相田2)、三菱地所アルティアム(天神1)、今年初参加の能古博物館(西区能古)など13施設が参加する。
期間中は、各館で常設展の入場料無料や割り引きを行うほか、福岡市美術館では同館の建築について紹介する建築ツアー、子ども向けワークショップなどを開催。福岡市博物館では裏側を案内するバックヤードツアー、開館25周年を記念して今秋に開く特別展「新・奴国展」のプレイベントなど各館の特色を生かした企画を開く。
昨年は過去最高の約2万5000人が来場。「常設展の入場者数は年々増加傾向にある」と同事業を担当する福岡市・文化振興課文化振興第1係長・平井香織さん。「通常のミュージアムの来館者は若干年齢層が高いが、ミュージアムウィーク期間中はファミリー向けなど幅広い世代に向けたイベントを企画しているため、幅広い年齢層の方に来館していただけるようになった」という。
各館の企画に加え、特別企画展の招待券や市内レストランの食事券、博多座の招待券などが当たる13施設共通のスタンプラリー企画も盛り込み、ミュージアム巡りを促す。
「常設展に派手さは無いものの、各館ともに面白いコレクションが多い」と平井さん。「今後は一年間を通して、来場者が増えるイベントも仕掛けていきたい」という。
「入場料も手頃なのでイベント期間以外でも、観光施設のように気軽に寄っていただき、ミュージアムのにぎわい作りのきっかけになれば」と期待を寄せる。
取材・文/編集部 秋吉真由美