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福岡三越、屋上で「都市養蜂」
開店20周年記念プロジェクトで

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福岡三越(福岡市中央区天神2)は今年3月から、屋上で都市養蜂に取り組んでいる。開店20周年を記念したプロジェクトで、地下2階の蜂蜜専門店「ラベイユ」のサポートを受けながら、新入社員と食品フロア社員を中心とした約10人で飼育している。

飼育しているのは、東北で養蜂されていた西洋ミツバチ。開始当初から大幅に増え、今では約15万匹以上(推定)に上るという。「世話をしていると、だんだん愛情が湧いてきてかわいい」と全身真っ白な防護服に身を包んで作業を行う、食品・レストラン営業部セールスマネジャーの久木美香さん(写真左下)。

社員らは約1週間に一回、養蜂箱の中をチェック。女王蜂の有無をはじめ、蜜や花粉の量、害虫や病気の確認作業を行う。日差しが厳しい屋上で行うこれらの作業は、結構な重労働だが、「本当にけなげに蜜を集めてくるミツバチたちが可愛くて」と愛情に勝る苦労はないようだ。

ミツバチは主に巣箱から3キロ圏内で活動するといわれており、アクロス福岡や舞鶴公園、西公園、大濠公園、福岡市植物園などの植物から蜜を集めてくるという。513日に初の採蜜を実施したところ、約40キロの蜜が採れた。「天神でミツバチを見かけると、この子はウチの子かな、なんて思ったり。入社30年目で今年が一番楽しい年になりそう」と声も弾む。

「これまでは、生産に携わる機会は無かったので貴重な経験ができている。生産者への敬意にもつながり、体験することで理解が深まる。販売も生産者に近い声で届けることができるようになり、社員教育にも役立っている」とも。

採取した蜜は、「福岡天神はちみつ」(仮称)と名付けて商品化。開館20周年を迎える今年10月に販売する予定で、瓶での販売のほか、ハチミツを使ったスイーツやパンなども企画しているという。「商品化したら、感動で泣いてしまうかも。天神で出来たハチミツ。楽しみにしていただければ」と笑みがこぼれる。

取材・文/編集部 秋吉真由美

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