天神地区のビアガーデン1番乗りは、西日本新聞会館（福岡市中央区天神1）屋上の「天神居食処 天空五風」（TEL 092-712-4650）。5月6日にオープンした。最大420席。

「お化け屋敷」「メード」「龍馬」など毎年スタッフがテーマに合わせた扮装で接客するユニークなコンセプトで人気を集めている同店。「お化け屋敷」から「メード」に一新した2009年にはメード目当ての1人の来客も目立ち、新たな客層の取り込みにも成功。「毎年、『今年のテーマは何？』との問い合わせも多い」（支配人の山本和則さん）という。

今年のテーマに期待が集まっていたが、3月11日に起きた東日本大震災の被災者へ考慮し、派手な演出は自粛。代わりに店内には「Do for Japan」と描かれたのぼりを立て、義援金箱を設置した。

震災の影響でどの業界も消費意欲が低迷気味といわれるが、ビアガーデンも例外ではなく「団体での予約の入り具合が例年に比べて少ない」と山本さん。「できる支援は物流を止めないこと。被災していない九州が元気でなければ」と宮城の名産品「笹かまぼこ」や青森県八戸市の郷土料理「せんべい汁」など、東北地方の名物料理の提供も6月より予定しているほか、同店の恒例の店員が各テーブルを回って行うじゃんけん大会の景品には東北地方の地酒を景品としてそろえているという。

食べ飲み放題でフードメニューはゴーヤチャンプルやソーキそば、サータアンダギーなど沖縄料理のほか、九州各県の名物料理約20種をそろえる。アルコールは、アサヒ、キリン、サッポロ、サントリー、オリオンの5社のビールやカクテル、日本酒、ワインなど。

料金は、大人＝3,800円（男性）・3,500円（女性）、中高生＝2,000円、小学生＝1,000円、幼児＝500円、3歳以下無料（120分）。ソフトドリンクのみの食べ飲み放題は、大人＝2,700円。営業時間は17時30分～22時。9月30日まで。

料金は90分食べ飲み放題で、男性＝3,300円、女性＝2,800円（30分延長ごとに追加料金500円）。営業時間は17時～23時。予約は（TEL 080-2726-8839）まで。雨天中止。9月11日まで。

50年の歴史を持つ老舗ビアガーデンの福岡ビル（天神1）屋上の「福ビルしばふビアガーデン」（TEL 092-726-8000）は5月19日にオープン。9年前より会場に張った天然芝生が特徴で周辺のビジネスマンに根強い人気を誇っている。席数は400席。

ジンギスカンをメーンに提供し、焼そばやもつ煮込み、空揚げなどのフードメニュー約20種をそろえる。アルコールは4メーカー7種の生ビールやハイボール、日本酒など。時間無制限と芝生の開放感が人気を集め、昨年は90日で約2万5千人が来場した。

「今年は（地震による）消費の冷え込みも心配だったが、自粛の空気に対する反動からか来店も多く、心配するほどではない」と川越敬一店長。好調な滑り出しだが、自粛ムードを一蹴しようと「従業員にも例年に比べ、元気な接客を指導している」という。「ここから元気にならないと。九州から元気を取り戻す力につながれば」と例年以上の盛り上がりを期待する。

料金は、前売り券＝3,300円で、当日券は男性＝3,700円、女性＝3,500円。毎週月曜は「サービスマンデー」で男女とも前売り料金で利用できるほか、西鉄バスフリー定期券で割り引きも行う。9月30日まで。

メニューや雰囲気、客層などスタイルは三者三様だが、「九州から元気に」という思いは共通だ――。

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