福岡デザイン専門学校の造形研究会から生まれた集団「Design Ship TORA」は5月16日より、イタリア・ミラノで開催された「ミラノサローネ国際家具見本市」への出展ブースを、「cafe de h(カフェ・ド・アッシュ)」(福岡市中央区今泉1)のギャラリースペースに再現している。会場では、「ゆらゆら(英題=Yura Yura Clock)」「はなあかり(同=Floor Flower)」「ふはり(同=Fu Ha Ri)」の3点を展示する。
同校講師をはじめとする24歳~46歳の8人のメンバーが中心となって構成された同集団は、さまざまなコンペへ出品し、数々の賞を受賞している。今回は、デザインキュレーターの桐山登士樹さんの勧めをきっかけに参加することになったという。
出展申し込み後、外国語でのコミュニケーションに苦労しながらも審査を通過し、出展130組の中に参入することができた。中心メンバーの中庭日出海さんは「出展者の名前などの『ブランド』や先入観を持って判断しがちな日本とは違い、外国の人はデザインそのものを理解しようとしてくれる。言葉は通じなくても、私たちのコンセプト『心地良さ』は肌で感じてくれたようだ」と話す。
花をモチーフとした時計「ゆらゆら」は、「面白い」と特に好評だった。「あなた達と一緒に仕事がしたい」と自分たちの「世界観ごと」認めてくれて声をかけてもらったことがとても嬉しかったという。
同集団のデザインプロセスについて、「普通はデザイン案を出した人が主導となって構成していくことが多いが、私たちは全員が遠慮することなく活発に案を出し合って、妥協することなく作り上げる」(中庭さん)という。今後は出品した3点の商品化が目下の目標。中庭さんは「福岡からも世界に発信できるという証明に一歩近づけた。やっと、さまざまな可能性が広がるスタートラインに立てた。今後はビジネスとしても発展させていければ」と話している。
開催時間は11時30分~20時。同20日まで。