今年からインターナショナル色を前面に打ち出そうと名称に「国際」が加わった「アジアフォーカス・福岡国際映画祭」の上映作品が決まり、9月14日~24日の11日間、ソラリアシネマ1、エルガーラホール、西鉄ホールで開催される。今年で17回目。
会見では、今年から同映画祭ディレクターに就任した梁木靖弘さんが「若年層の観客の増加を目指したい」と意気込みを語り、「そのためには映画祭のビジュアルなどセンスで勝負しなければ。枠にとらわれず、『僕らが新しく作り出すものがアジア』の意で、『アジアっぽさの脱却』をテーマに若年層へのアプローチをしていきたい」と加えた。
今年は昨年より7作品増となるアジア16カ国・地域32作品を上映(協賛企画も含めると19カ国・地域51作品)。総予算は昨年と同額の1億円。今年の特徴として、何を見せたいのかはっきりさせたいと「泣くな、踊れ、アジアの女性たちよ!」「ディアスポラのアジア」「日本の民衆史」、福岡フィルムコミッション撮影支援作品を集めた「ロケ地、九州・福岡」という4つのテーマの特集形式で作品を上映するほか、ベルリン国際映画祭金熊賞受賞作、釜山アジア国際短編映画祭入賞作品の上映なども行う。
「就任1年目での作品集めの際に苦労した点は?」との問いに、梁木ディレクターは「インド、オランダ、香港、台湾などさまざまな世界の映画祭に参加した。良い映画にぶつかるには、どん欲に足で稼ぐことが大切だが、一番苦労する点でもある。今後も大変だろう」と笑いを交えて応えた。
昨年から創設された観客が選ぶ「コダックVISIONアワード(福岡観客賞)」も引き続き実施。梁木ディレクターは「楽しむ映画祭を目指したい。福岡の活気や元気なところをアピールすることが狙い」と話している。
協賛企画では、第1回福岡観客賞を受賞したジャヌ・バルア監督の特集上映や同映画祭の過去作品を上映する「アジアフォーカス・アーカイブス」、「バリアフリー上映会」、「中国映画フェスティバル2007」のほか、ゲストを招いてのトークと映画上映会を行う「アジアフォーカス映画講座『シネマ・デ・アジア』」の開催を予定している。