アクロス福岡(福岡市中央区天神1)2階交流ギャラリーで9月25日より、世界報道写真財団(本部=オランダ)が毎年実施している「世界報道写真コンテスト」の本年度受賞作品を展示する「世界報道写真展2007」が開催されている。主催は、朝日新聞社ほか。
世界40カ国以上で巡回している同展は、「アジアの窓口」でもあり、国際交流が盛んな福岡でもぜひ開催したいとの思いから、13年ぶりの開催が実現したという(朝日新聞社の馬田広亘さん)。同コンテストの審査対象となる作品は、前年1年間のものでプロ・アマは問わない。開催は今年で50回目となり、「スポットニュース」「一般ニュース」「ニュースの中の人々」「スポーツ・アクション」「スポーツ・フィーチャー」「現代社会の問題」「ポートレート」「アート&エンターテインメント」「自然」の10部門へ応募された124カ国、4,460人の写真家による78,083点もの作品の中から、各1位~3位入賞作品をはじめ、約200点を展示している。
馬田さんは「同じ地球上で起こっている出来事だが、内戦もなく、本当に平和な日本では見られない光景。高校生、大学生など若い人に見ていただき、何か感じてもらえれば」と話している。紛争などの悲惨な場面をとらえた写真以外にも、ベルリンで開催されたサッカー・ワールドカップ決勝戦でのフランスのジネディーヌ・ジダン選手が頭突き、退場となった1場面を写した作品なども展示。馬田さんは「我々の生活している様子はすべて報道の対象。日本人にとっては、何気ない場面である『働きすぎの日本のサラリーマン』を象徴するような場面を切り取った作品など、外国人の視点も興味深い」とも。
会場を訪れた80代男性は「自身の戦争体験と重ねながら見ている。罪のない民間人も巻き込む戦争の悲惨さ。そんな悲惨な場面を知らない若い世代の人にどう伝えるかが報道写真の役目なのだろう」と話していた。
入場料は、大人=500円、中高生=300円、小学生以下無料。10月8日まで。