九州日仏学館(福岡市中央区大名2)5階ギャラリーで11月10日より、部屋全体を使用したインスタレーション作品を展示している尾形明子さんの個展「正義工場」が開催されている。
尾形さんは1981年生まれで、2000年より制作活動を開始。「写真を燃やす」など一味加えたヌード写真などを撮影するほか、2001年に開催した初の個展では会場中に髪の毛をコピーした作品を並べるなど、独創的な作品を制作している。昨年、イムズ(中央区天神1)8階・三菱地所アルティアムで行われたジャンルフリーの公募展「For Rent!For Talent!2」では、審査で選ばれ、作品を発表している。最近では立体的な作品も多く、「決まった色や形、安定したものが嫌い。作品を安心して見てほしくない」(尾形さん)というコンセプトを基本に制作活動を行なっているという。
今回は同館の呼びかけにより同展が実現。73平方メートルの会場全体を使用し、「部屋の形を変えた表現方法をしたい」(尾形さん)とアルミホイル約50本、ブルーシート、模造紙、ゴミ袋100枚を使用した作品1点を発表。作品のコンセプトは「胎内」「宇宙」「静かな爆発」。ブルーシートや大量に買い込んだアルミホイルをつないだもので部屋を覆い、円形が描かれた模造紙で覆われた奥のスペースの中心にはダイナマイトを表現したものを設置し、宇宙の爆発を表現したという。「子どもにはお母さんの胎内、自身の年齢(26歳)ぐらいの人は宇宙など、生きてきた中で取得した情報、世代によって感じ方が違う作品になっているのでは」と尾形さん。
「部屋には窓があるので、天気によっても透け感が変わり、天候も作品のうち。曇りが一番作品に合っているかも」とも。「自分自身も予想できない、驚く発想で作品作りを続けていきたい」(同)と話している。
開館時間は10時~19時(土曜は18時まで)。日曜休館。入場無料。12月5日まで。