相模ゴム工業のサガミオリジナル002のキャンペーンサイト「LOVE DISTANCE~僕らは、10億ミリ離れていた。~」の演出を手がけた映像制作会社「空気」(福岡市早良区)の江口カンさんが「2009年カンヌ国際広告祭」のフィルム部門・PR部門で金賞を受賞、イムズホール(中央区天神1)で7月31日、受賞記念講演を行った。
遠距離恋愛中のカップルが東京・福岡から中間地点での再会を目指し、10億ミリ(1,000キロメートル)を走り続ける様子をインターネット上で生中継するもので、最初のアクセス時に男か女かを選択。両方を見るにはパソコン2台を用意しなければならず、どちらかの様子しか閲覧できないことから遠距離恋愛を疑似体験できる仕組み。
一企業のキャンペーンサイトとして誕生し、昨年12月1日に東京と福岡をスタート。クリスマスイブの再会する同24日のゴールまで企業名は一切明かされないという異色なキャンペーンが話題を呼び、「どの企業のCMか?」などとの憶測がネット上で飛び交った。
フィルム部門で日本作品の金賞受賞は13年ぶり。講演で江口さんは、公募したカップルの中から2人を選んだ理由を「2人の仲の良さと人間力の強さ」と明かし、「24日ぶりに会う2人の表情を逃したらこの企画は終わりだった」と24日のゴール地点での撮影に込めた思いや苦労点などを振り返り、観客の関心を集めていた。