福岡を拠点に活動するファッションデザイナー田代淳也さんは、今年9月に東京で開催される「東京コレクション」(東コレ)に参加する。
東コレは東京ファッションデザイナー協会(CFD)が主催するファッションショーをメーンとした、国内アパレルや繊維メーカーの展示会や商談会などの開催日程を一定期間に集約した複合ファッションイベント。最先端のファッションが発表されるパリ、ミラノなどの世界5大コレクションの1つに位置づけられる。
田代さんは9月5日、若手デザイナーに会場を無償で提供する原宿クエストホール(神宮前1)でのショーに登場する。「蝶よ、花よ」というコンセプトで、春・夏物のワンピースやブラウス、ジャケットなど約70点を披露する予定。商品は、自ら手掛けるブランド「JUNYA TASHIRO」で、天然素材を使用しデティールに手作り感があるのが特徴。「何度も洗うことで味が出る、長く着て服と一緒に成長していくことをコンセプトに作っている。染色も草木染で、手作り感覚だがどこか新しいものを目指している」と田代さんは話す。
スタッフは、15人のモデルのうち半数を東京で採用するほかは、スタイリストやヘアメーク演出家、音楽など45人は福岡で活躍する人を集めた。「デザイナーやクリエイターは、福岡に留まらず東京に行ってしまう人が多い。でも、福岡に居ながらでも情報を発信することが出来るということを主張したい」(田代さん)。
田代さんは佐賀県出身で、27歳で脱サラをして専門学校でデザインの基本を学んだ。その後、1年間は作品作りに専念し1年間で300の洋服を作り、アパレルメーカーに就職したが「自分がやりたいことを100%したい」と思い2年前に独立。現在は、「ロケーションの良さから選んだ」という「Lassic(ラシク)」(中央区清川2)のアトリエで制作活動を行なっている。