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アクロス福岡で民工芸品について考える参加型企画展 ワークショップも

「福岡県知事指定特産民工芸品」の「八朔の馬」(左上)、「今宿人形」(右)、「津屋崎人形」(左下)。イベントでは、同民工芸品の展示と制作体験も行う。

「福岡県知事指定特産民工芸品」の「八朔の馬」(左上)、「今宿人形」(右)、「津屋崎人形」(左下)。イベントでは、同民工芸品の展示と制作体験も行う。

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 アクロス福岡開館30周年記念事業の企画展「ふるさとの民工芸品を未来へつなぐ展」が10月19日・20日、アクロス福岡(福岡市中央区天神1)で開催される。

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 アクロス福岡は来年4月29日で30周年を迎える。同展では、県内で製造される、郷土色豊かで一定の伝統性を有する工芸品・民芸品に与えられる「福岡県知事指定特産民工芸品」37品目に注目し、工芸品産地が抱える課題や取り巻く現状、取り組みなどについて伝え、工芸品の未来について考えてもらう。工芸品の展示をはじめ、ワークショップやトークイベントなどを開く。

 会場では、「八朔(はっさく)の馬」「博多曲物」「今宿人形」などの民工芸品37品目を、解説や各工芸品産地から寄せられた現状など、リアルな声と併せて展示する。展示に当たり、工芸品産地からは、抱えている問題や現状の声が多く寄せられたという。同施設事業部地域文化チームの里見真紀さんは「苦しい問題を抱えているためネガティブな声もあるが、今回そのまま公開する」と話す。会場内には、来場者が感じたことを付箋に書いて貼り付けることができる掲示板も用意。里見さんは「産地からの声を読んでもらい、産地へ提案したいことなど、来場者から意見を求めたいと考えた」と話す。来場者からの声は、イベント終了後に産地へ届ける。併せて、九州産業大学造形短期大学部の生徒による企画展示「籃胎(らんたい)漆器を未来へ」も開催する。

 民工芸品の体験イベントとして、制作工程を一日かけて学ぶ「おとなのためのワークショップ」(18歳以上推奨)も行う。19日=大川組子のタペストリー制作体験(参加費6,000円)、20日=柳川まりの制作体験(同5,000円、以上、定員6人)。このほか、子どもから大人までが参加できる今宿人形の絵付け体験(2,000円)、津屋崎人形絵付け体験、八朔の馬制作体験(以上1,500円)と制作実演も行う。

 19日には、工芸品セレクトショップを展開する「うなぎの寝床」(八女市)取締役・バイヤーの春口丞悟さん、20日には、九州の郷土玩具と民芸品を取り扱う「山響屋」(今泉2)の瀬川信太郎さんによるトークイベントを行う。定員は各回50人。参加無料。

 里見さんは「民工芸品の魅力は、作り手の思いや、ぬくもりが伝わってくるところ。もともと民工芸品は、その土地の暮らしの中から生まれたことから、生活に寄り添ったものばかり。当展で新たな発見があるかもしれないので、展示やイベントを通じてそれぞれの『新しい取扱説明書』を考えてもらえたら」と話す。

 開館時間は10時~17時。入館無料。トークイベントとワークショップの申し込みはウェブサイトで受け付ける。

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