
老舗割烹料理店「割烹よし田 天神本店」(福岡市中央区天神1、TEL 092-721-0171)が6月10日にオープンした。
1963(昭和38)年に天神2丁目で創業した同店。これまで、「鯛(たい)茶」をはじめ、地元で獲れた魚介類や旬の食材を使った日本料理を提供してきた。福岡市が推進する「天神ビッグバン」の再開発工事の一環で、2020年12月30日に旧本店を閉店。2021年2月8日から、博多の店屋町で営業を続けてきた。今回、約4年半ぶりに天神に復活し、新たな本店として営業を始める。今後は博多店屋町店も継続し、2拠点で営業する。
新店舗は、地上4階建ての自社ビルで、1階~3階を客室とする。店舗面積は約957平方メートル。総座席数160席、個室14室を用意する。新店舗のコンセプトは「つながる」。外観は、旧本店や博多店屋町店に採用したコーポレートカラーのベンガラ色を基調とした。店舗入り口には、旧本店で使っていたものと同じデザインののれんを採用するほか、店内各所にも、旧本店で使っていた建築資材や意匠、飾り物などを採用する。
1階は、4人がけのボックス席3卓のほか、1人でも利用しやすいよう新たにカウンター席6席も設ける。カウンター席には、旧本店で使われていた竹を再利用するほか、ボックス席の隣り合う席との仕切りとなる障子には、タイの絵が描かれた旧本店の包装紙を採用。2階は最大60人に対応する大広間で、人数に応じて4分割での利用もできる。このほか、和室の個室を2部屋用意する。3階は、最大12人に対応可能な8タイプの個室を用意し、各部屋に「高崎」「尾岳」「八幡」など、九州の山岳名を付けている。特別個室「天虹」には、博多人形師・中村信喬さんが同店のために制作した博多人形を展示する。
提供メニューは、看板メニューの「鯛茶」や「イカ活造り」をはじめ、コースメニューなども用意。昼のメニューは「よし田名物 鯛茶」(1,760円~)、「鯛茶天ぷらハーフセット」(2,530円~)、鯛茶のほか小鉢、すき焼きなどをセットにした同店限定の「スペシャルランチコース」(5,500円)などをそろえる。夜のメニューは、会席料理(計4種、8,800円~)、鍋会席(計3種、8,250円~、以上2人から、要予約)などのほか、単品料理をそろえる。会席料理4種のうち「雅会席」(2万2,000円)は同店限定。
1階には「おみやげコーナー」を設け、同店オープンに合わせて新たに手がけた家庭向け商品「家庭割烹」シリーズなど販売する。ラインアップは、「家庭割烹」シリーズの「鯛茶たれ」(729円~)、「鯛だしつゆ」(1,188円)、「鯛にゅうめん」(1食594円)など。
吉田泰三社長は「天神ビッグバンは100年に1度といわれる再開発。創業地であることはもちろん、天神と共に歩んできたからこそ、生まれ変わる天神で私たちなりに役に立てたら。新しい天神と共に、新しい『よし田』の歴史をつなぎ、博多を代表する100年企業を目指していきたい」と意気込む。女将(おかみ)の吉田由香理さんは「2015年に町内会の話し合いから始まった天神ビッグバン。10年の間に、いろいろなことがあった。夢のような、辛い時間だったような気もするが、やっとこの地に戻ってくることができたので、スタッフ一同、一丸となって盛り上げていきたい」と思いを語る。
営業時間は、昼=11時30分~14時30分、夜=17時~22時30分(土曜・日曜・祝日は22時まで)。第1・3日曜定休。