特集

雑貨館インキューブ
女性目線の店作りで店舗刷新

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■女性客のニーズを反映した売り場に

1999年、西鉄福岡駅直結のソラリアステージビル2階~5階に開業した「雑貨館インキューブ」。「楽しいモノ・コトに出逢える店~出逢いと発見のおもちゃ箱~」をコンセプトに据え、ステーショナリーや美容、キッチン雑貨などを約16万点の商品をそろえる。

今回の改装で、和雑貨やアクセサリー、イベントを展開していたM3階は、ファッション雑貨、アクセサリーに特化した売り場へ新装。西鉄天神バスセンター、福岡パルコに通じる3階はバラエティー雑貨中心の品ぞろえから、美容・健康雑貨へシフト。ステーショナリーのみだった4階は、ステーショナリー雑貨のほか、時計やバラエティー雑貨を加えた。5階は目的買いの利用客が多く年齢層も若干高くなることから、和雑貨・家庭用品を展開する。投資額は4億円で、年間売り上げは20億円を見込む。

新インキューブのコンセプトは、「ときめきを感じる」「居心地のよい店舗作り」。開業から利用客層の大半が女性であることから、「女性のお客様のニーズを汲み取り、売り場に反映させるのにはスタッフに同じ女性を起用することが必然」(営業部長兼天神店店長の津岡卓央さん)と今回のリニューアルを機に全フロアの統括チーフに女性社員を抜擢した。

「通路幅がせまくベビーカーが入らない。モノは多いが、どこに何があるか分からず、探すのが面倒で帰ったという声があった」と話すのはリニューアルの店舗開発チームの一人で4階フロアの統括チーフを担う中村ふみ江さん(写真中)。「幅広い客層に合わせた居心地の良い、10年先も古さを感じさせないフロア作りを心がけた」という。

白を基調とした明るい内装で、商品を陳列する什器の高さを低く、店内の見通しを良くしたほか、ベビーカーが通りやすいように通路も拡張した。「ファミリー層をはじめ幅広い年齢層に合わせた木の葉モール橋本店やパークプレイス大分店での店舗作りをヒントにした」と話す。「圧迫感もなく、お客様の目線が奥まで抜けるので商品が探しやすくなったのでは」。

また、「エキナカという場所柄、他の店での買い物帰りに寄っていただく方も多い」と開業以来、初めて各フロアに10脚以上の休憩スペースを設置した。「荷物が多く、疲れている中で来ていただいても、ちょっと休憩してゆっくり見てもらえるのでは」。そのほか、造花をあしらった提案スペースなど、女性らしい華やかなアイデアも加わった。

■インキューブのブランド力向上へ

「これからも漠然と商品を並べるのではなく、来たら新しいものが見つかる、ワクワク感やときめきをプラスできるような、また来たいと思えるような店舗を目指したい」と中村さん。5階の生活雑貨統括チーフの中島佳代さん(写真左)は「女性3人のチームで柔軟にフロアごとの垣根を越えて提案していきたい」。3階・M3階・2階の美容・健康・ファッション雑貨統括チーフの長谷川ちひろさん(同右)は「売り上げに直結するのはリピーター作りがカギ。定番商品を提案しつつ、リピーター作りに力を注ぎたい」とそれぞれ意気込みを見せる。

2009(平成21)年には久留米に2号店、2013(平成25)年には大分に県外初出店を果たし、同11月に佐世保、今年3月に小倉、同627日には初の九州外出店となる7号店を名古屋に出店し、多店舗展開も活発だ。「最近は他の地域への出店要望もたくさんいただいている」と津岡店長。「旗艦店である天神店をベースに九州外を含む他の地域への出店を行い、ブランド力を高めたい」としている。

取材・文/編集部 秋吉真由美

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