特集

「世界のゲームの中心に」VOL.2
ゲーム開発会社3社トップインタビュー

  •  
  •  

■ 「大人になって知ったゲームの本当の面白さ」-サイバーコネクトツー・松山洋さん

- 行政まで動き出した「ゲームの魅力」とはなんだと思いますか。

松山 最近ではまるで映画のようだと言われるようになって、身近でありながらすごくエンターテインメントとしての地位が上がってきているように感じています。僕は子どもの頃「ファミコン」って、誰が作っているのかなって考えた。おそらく場所は東京で、研究室みたいなところがあって、白衣を着た人が地下室でカタカタ音たてならがら作っている。そういうイメージがあったんです(笑)。ものすごく遠いところにある存在、一部の天才たちが集まって作っているという。でも実際、僕らは福岡でゲームを作っている。それを世界中の人が遊んでいる。遊び手も作り手も、年齢、性別、国や言語を超えられるコンテンツであること、これが魅力だと思います。

- 「環境」を大事にされていますが。 

松山 クリエーティブな仕事は100を102にアレンジをするのではなくて、0から1を生み出す仕事なんですよ。何かを生み出すってものすごく体力がいるし、すごく時間もかかる。研ぎすまされた感性の中で生み出さなくてはならない。ですから、無駄を極限まで省かなくてはいけない。人間が働ける時間、そして体力、集中してモノが作れる時間って決まってると思う。人が持っている力というのをちゃんと発揮できるようにするのが我々の仕事だと思うんです。

- ゲーム制作において大事にしていることはありますか。

松山 乱暴な言い方になりますが「楽しければなんだっていい」と思います。歯を食いしばり血に涙を流しながらやっていたって楽しいものはできない。もちろんつらいときはあります。でもそれ以上に楽しい。ものを作るっていうのがこんなに面白いこととは大人になって知りました。

- ゲームクリエーターになるために必要な要素はなんですか。

松山 ゲームクリエーターに限らず「好きだ」っていう気持ちだと思います。人間は前に進むための無限の力を持っている。前に進む力っていうのはやりたいことをやっているかどうか、です。やりたいことはおのずと脚が前に進むんですよ。仕事を選ぶ理由がよこしまだったら必ず心が折れます(笑)。好きって気持ちは強いです、だから甘くないんです。

サイバーコネクトツー

■ 「男の子は戦ってナンボです(笑)」-ガンバリオン・山倉千賀子さん

- ゲームを「面白そう」と思いながら、手に取るまでに至っていない人がいると思います。その層にどう踏み込んでいくか、アプローチの方法など何か考えていることはありますか。

山倉 ゲームをやっていない人で難しいのは、女性でしかも20代以上。わたしもどうやって踏み込もうかいろいろと考えたんですけど、一言で言うと難しい。 何でやらなかというと「時間がもったいないから」が一番。女性の場合、美容室にいくお化粧する、恋愛ドラマを見る友達と食事に行く、習い事をするっていう時間の使い方をする。そして、これらは全部「自分」にプラスになって跳ね返ってくる。 女性に限らず、無意識下で自分の何かに反映されないともったいないと思っている人は多いと思います。 なので「ゲームをすることで自分の何かになる」という部分があってはじめて受け入れられるんだなと最近思うようになりました。 ゲームの方が変わらないと受け入れてもらえないと考えています。

- ゲームを作る上で変わらないコンセプトはありますか。

山倉 どんなゲームにおいても触った時の感触が気持ちいいもの。アクションでもカーレースでも小気味よく動く、操作していること自体が気持ちいいもの。気持ち良さを追求するっていうのはどんなゲームでも変わらないですね。

- 今後、作っていこうと考えているゲームはありますか。

山倉 秘密です(笑)。構想はたくさんあるのです。その内のひとつで生活に密着したゲームを企画していて・・・うちのスタッフは男の子なので、勝った負けたとか殴った蹴ったとかなので別の視点も作りたいかな、と(笑)。今後どうなるか分かりませんが。いや、戦ってナンボですよ男の子は。世界の平和を守るために。腰に手を当ててあらぬ方向を見ていたら多分、M87星雲みてます。そういう人を社内でみかけると、変身するんだろうなあって思います(笑)

- 仕事上で迷いが生じたときはどのように対処していますか。

山倉 何をしていきたいのかをしっかり考えます。自分の人生こうありたいと思ったときに、その自分に到着するように歩く。でも今日、明日のことだけ考えてやっていても、その道を辿ったら目的地に着くのかって微妙ですよね。有名な方の言葉にあるんですけれども、「上りたくないところに梯子をかけてもそこにはとどかない」って。やはり上りたいとこに梯子をかけないと。仕事の上でもそうしています。

ガンバリオン

■ 「志がある人は純粋に強いと思います」-レベルファイブ・日野晃博さん

- ゲーム業界で働きたいという方が増えていますが。日野さんがゲーム業界を目指されていたときの周りの環境と比べるといかがですか。

日野 ゲームを作りたいと思う人たちも変わったんですけれども、一般の人たちがとらえているゲームのイメージがものすごく変わった。僕は学生の頃からパソコンいじったりしていましたけれど、20代前半の頃に「仕事何しているの」と聞かれてゲームを作っているというと「わっ暗っ」みたいな(笑)。今はゲーム作っているって言ってもネガティブなイメージでとられることもなく、いいイメージで捉えられるようになって。ゲーム自体が明るい方向に行ったことで、ゲーム業界で自分の実力を試したいという人が増えると嬉しいです。

- 実際、どういう人材を求めていますか。

日野 部署にもよりますが、やはり「チーム力をあげる力」がある人。たった1人の人間が入ってきただけで、雰囲気がガラリと変わるという経験を何度もしました。あとは、志を持って自分で学んで入ってくる人は純粋に強いと思います。入社試験で自作のアニメーションを見せてもらって、すごく感動したこともありますね。ほかはコミュニケーションがとれて人と人とのつながりを大事にする、ちゃんと「人」がわかっている人。

- 昨年パブリッシャー事業に参入されましたが、業界内での反応は如何でしたか。

日野 とにかく皆さん「頑張れ」と言ってくれて、多くの方が応援してくれました。

- パブリッシャーとしての初タイトルとなった「レイトン教授と不思議な町」ですが、今までレベルファイブが手がけてきたタイトルとは雰囲気が違うように感じますが。

日野 確かに今まではゲームファンに向けたタイトルを制作してきたので。でも、作品の雰囲気はすごくうち好みですね。「レイトン」はRPGや「脳トレ」などの中間的存在だとは思います。「レイトン」をきっかけにRPGなどのゲームも面白そうだと思ってくれる人が増えてくれればいいなと思いますね。

- 個人的にRPGは時間がかかるというイメージあります。「面白そうだと思いながら、まだやったことがない人」が実際に取らせる手段など、考えていることはありますか。

日野 時間がかかると考えるか、長く遊べると考えるか、なんですけど。長くかかるとイメージさせるゲームが多いからでしょうか。ずっと遊んでいたいと感じるなら、長いとは感じないわけですよね。

- なるほど。

日野 ゲームの質的にはまだ、一般の人たちを楽しませる映画みたいなエンターテインメントにはなりきっていなくて。多くのゲームクリエーターは、ゲームとは、オープニングとエンディングがあって、間には「経験値」やゲージあってそれなりの苦労をさせて・・・という、「ゲームとはこういうもんだ」みたいなものをやっぱり捨てきれずにいる。だからそれをずっと守っていると一般の人たちは永久に、「ゲームは時間がかかって面倒臭くって小難しいシステム」っていう感じが続くと思うんです。ただ、僕らも一般の人たちがどういうところでゲームにつまずいてしまうのかというところがわかってきたので、一般の人たちにできるゲームを考えようと思っていますね。ゲームらしいゲームだけど脳トレみたいなゲームではなく。RPGなんだけど一般の人たちができる。

- 面白そうですね。ぜひ遊んでみたいです。

日野 今から作っていこうとしているんです。ゲームらしさがあって脳トレみたいに一瞬遊んですぐやめるということも出来るようなタイトル。ちゃんとゲームだけど「お母さんもできるよ」というようなゲームを今、「考え中」です。10周年記念作品でね。

- 今後、目指していくものは?

日野 コンテンツ分野は、日本が誇る産業のひとつです。まずは、日本から発信していく代表作と言えるものを僕等の手で作りたいですね。

レベルファイブ

  • はてなブックマークに追加

ピックアップ

買う

ピックアップ