2010年から開かれている天神・博多エリアの複数の飲食店が参加する「バルウォーク福岡」、翌年には薬院エリアで「薬院サルー祭り」、2013年からは中洲・川端エリアでも「リバレインウォーク」が始まり、福岡市内は「はしご酒」のイベントが目白押し。それに続けとばかりに個性的な店が並ぶ大名エリアでも1月24日、飲食店のはしごイベント「大名タペオ」が初開催された。
仕掛けているのは、ラジオパーソナリティーなどの活動を行っている中嶋一顯(かずあき)さん。大名のコミュニティーラジオへの出演を機に、周辺に店を構える店主らとのつながりができたことがきっかけだ。「(飲食店の)店主と話すなかで、集客につながるイベントをしたいという声が多かった」と中嶋さん。「お客と店舗はもちろん、店舗同士の横のつながりも増やしたい」とはしごイベントの開催に踏み切った。
スペイン語で「はしご酒」の意味を持つ「タペオ」をイベント名に掲げ、中嶋さんと顔見知りの店主をはじめ、人気店に呼び掛け。焼きあごだしラーメンが目玉の「NOODLE BA-R(ヌードルバル)極み」、クラフトビアバー「BRIM(ブリム)」、イタリア・メキシコ・スペインの3カ国料理をそろえる「mercado3miguel(メルカドサンミゲル)」、ラーメン・焼酎バー「土竜が俺を呼んでいる」など個性的な11店舗がそろった。
実行委員長を務める中嶋さんをはじめ、実行委員会は8人。メンバーには、ゼミ活動の一環でボランティアでの手伝いを申し出てくれたという福岡大学の学生も。当日の運営をスムーズに進められるよう、特別メニューの下見や広報、調整役を担った。
メニューも決まり、準備万端…と思いきや、24日当日は強い寒波が押し寄せる予報。市内でも積雪が見られる大荒れの天気になったものの、中嶋さんの心配をよそに事故もなく、無事に各飲食店でにぎわいを見せていた。
今後は年4回の開催を予定している。「店舗間だけではなく、街全体を舞台にした宝探しイベントや婚活イベントなど街遊びを楽しめる企画も練っていきたい」と中嶋さん。「大名は、迷路みたいな作りで散策したら面白い街。その良さを生かしたイベントを開いて、幅広い世代が楽しめる街になるきっかけになれば」と意気込みを見せる。
取材・文/編集部 秋吉真由美