特集

九州一の歓楽街「中洲」
「中洲まつり」を通して見る、福岡の夜の顔「中洲」の今

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■中洲まつりとは?

「中洲まつり」は1976年より、「不景気だからこそ頑張ろう」「中洲から盛り上げていこう」との呼びかけから始まった。中洲へ来街者、飲食店利用客へ謝恩イベントでもあるが、この祭りを通して、「中洲が安全で清潔な街」というイメージを広く知ってもらうことも重要な開催理由であるという。「中洲まつり」の開催は今年で32回目を迎えた。

祭りの目玉である、女性たちが大きなかけ声とともに中洲のネオンの街の真ん中を駆け抜ける「中洲國廣女みこし」は博多祇園山笠が男性中心の祭りであることから、「男性だったら山笠に参加するのに」との女性の声から生まれた。開催当初、中洲で働く女性たちが中心となって担いでいたが、現在の参加者は幅広く、OL、主婦、学生など約500人が参加し、祭りを一層盛り上げている。

■今年度の開催概要や特徴

今年は10月4日~6日の3日間にわたって行われた。中洲の各飲食店が露店を構え、通りでは地元のストリートミュージシャンへ披露の場を与えたいと特設ステージが設けられたほか、小・中学生のチームが演奏する「博多おっしょい太鼓」、中洲大通りで総勢700人が勢いよく踊る「ふくこい総踊り」などさまざまなイベントが開催された。
「中洲は高価」「大人の街」――こうしたイメージが離れないことから若年層にも気軽に参加してほしいと2005年より開催されている「はしご酒大会」は、中洲の有名飲食店4店舗を巡ると景品が進呈するもので好評だという。さらに今年は1万円で3店舗、高級クラブを回るコースも新たに設けた。

3日間とも実施された人気の「中洲國廣女みこし」は、今年も髪をアップにした気合の入った法被姿で担いだ、みこし2基は國廣神社を出発、露店の間を走り抜けると、中洲の街は歓声にあふれた。

■中洲エリアの現状、今後期待すること

同実行委員会によると景気は良くなってきているというが、やはり不景気のあおりを受け、接待などが減少傾向にあり厳しい状況という。さらに相次ぐ飲酒運転の事故など、歓楽街であるが故の悩みは尽きない。「福岡市の夜の顔としてしっかり観光地として成り立たせ、『中洲は明るくて安心して利用できる場所』とのイメージ作りたい」(同実行委員会スタッフ)と話す。そして安全面の問題も踏まえ、「中洲地区安全安心まちづくり協議会」を結成。ポイ捨て禁止のバナー掲出や安全の呼びかけを行っている。「もともと元気を出そうと始めた祭り。不景気など、問題を抱える今だからこそ続けていかなければ」(同)とも。

「中洲」は、5月には全国から200万人もの人が訪れる「博多どんたく」、1949年に「中洲流」で初参加した「博多祇園山笠」など年中祭りでにぎわう「福岡」を担う街。だからこそ、治安やインターネットの普及によるネオン広告の減少などの諸問題を抱えている。「少しでも街の活性化につながれば」と、地元を愛する人の手によって作られた「中洲まつり」。今後も「中洲」の色を描きながら続いていくことを願いたい。
 

文・写真/編集部 秋吉真由美

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