■福岡発アイドルが続々
昨年8月、福岡市東区箱崎の専用劇場で公演デビューした「HR(エイチアール)」をはじめ、地元のタレント事務所主催で今年1月に1期生オーディションが行われたユニット「QunQun(キュンキュン)」、楽曲プロデューサーに元チェッカーズの鶴久政治さんを迎え、昨年10月に「涙のリクエスト」でCDデビューした福岡の現役女子大生ユニット「CQC’s(シー・キュー・シー・ズ)」など、九州を拠点に活動する福岡発アイドルが続々と誕生している。
4月には新たなアイドルグループが公演デビューを
果たす。グループ名は「
LinQ(リンク)」。ブランドマネジャー兼劇場支配人としてHRのデビューにかかわった小野純史さんが社長を務めるJMP(福岡市中央区天神5)が手がける。「LinQ」は「Love in 九州」の頭文字をとった造語で、コンセプトは「ファンの手が届くアイドルグループ」だ。
2月末にオーディションを実施。九州はもちろん、北海
道、名古屋、大阪のほか、北京から集まった
1,162人が参加した。実家があまおう農家の上原あさみさん、九州大学医学部に在籍し、レッスンの合間にも勉強しているという秋山ありすさん、元バスガイドの深瀬智聖さんなど、12歳から25歳の個性豊かな40人が選ばれた。
40人を支える講師陣も豪華。統括プロデューサー・MC講師には、自身の経験を生かし、ラジオパーソナリティーの育成などを行う福岡県北九州市出身のTOMYさん、音楽プロデューサー・ボイス講師には中島美嘉さん、Soweluさんらに楽曲提供をし注目を集めた、長崎県佐世保市出身のH(エイチ)さん、振り付け・ダンス講師にはDA PUMPの全国ツアーの振り付けも手がけたSOさんを迎えた。4月17日にイムズホール(天神1)で公演デビューする初期メンバーは約20人で編成を予定。現在、その選抜メンバーの座をつかもうと毎日レッスンに励んでいる。
■アイドルを通して地域活性化
「ただのアイドルではなく、九州の活性化を目指して広告媒体になれるアイドルを目指す」と小野さん。「地元のアパレルブランドが商品の
宣伝にリンクを使ったり、ヘアサロンがリンクを使ってヘアスタイルを提案したり、広告コンテンツとしてとらえてほしい。地元の企業や学生を巻き込んで九州を盛り上げたい」。
公演の衣装は博多織を取り入れた衣装をバンタンデザイン研究所キャナルシティ校の学生がデザインし、制作まで手がけた。
5月には
CDデビューも予定する。楽曲も福岡を拠点に活動する地元アーティスト「ビーグル・クルー」「isis(イーシス)」が提供し、力強い面々がそろった。
「リンクだけでなく、お姉さんグループ、小柄なグループなどいろんな角度で40人それぞれの個性を生かした活動をしたい」。オーディションも年に2~3回のペースで実施し、大型グループを目指す。デビュー後は、毎週土曜・日曜・祝日、天神地区のホールを中心に行っていく予定だが、「天神で専用劇場の開設も検討中」という。
「美人が多いと言われる九州。福岡で生まれたアイドルが福岡を代表する『観光名所』のような存在になれば。アキバが日本を代表する観光名所になっているようにアイドル好きが福岡に来れば毎日楽しめるような、そんな都市にしていきたい」。
そして福岡から世界へ発信――「福岡から全国、アジア、さらには世界を目指すグループが目標」と目を光らせる。
取材/編集部 秋吉真由美