ビッグイシュー日本(大阪市北区)は5月10日より、ホームレスが販売するストリートマガジン「ビッグイシュー」の取り扱いを福岡天神で始めた。
同誌は、1991年に発刊した英国で成功を収めたことから、現在では世界の28カ国、55の都市・地域に広がりを見せており、日本では2003年9月、「ホームレスに仕事を提供し、自立を応援する」という考えをもとに大阪で創刊された。その後、京都・神戸・東京・神奈川・千葉・青森など、日本でも10都府県で約120人のホームレスが販売し、2003年の創刊以来、3年8カ月で207万冊、2億2,700万円を売り上げているという。
最初に無料で提供した10冊の売り上げ2,000円をもとに、以後90円で仕入れ、1冊200円で販売する。その売り上げの55%=110円が販売員の収益になる仕組み。同社は一歩ずつの自立を応援しており、大阪の場合、簡易宿泊所を利用して「路上脱出」を図る第1段階(25~30冊の販売)、アパートを借りて住所を持つことを目標とする第2段階(35~45冊の販売)を経て就職活動に結び付ける過程を支える。
創刊当初から昨年8月までの3年間に、558人の登録者のうち32人が仕事を得ており、現在の販売者総数のうち49人は「路上脱出」に成功しているという。
福岡での販売を支援するため、市民ボランティア「ビッグイシュー福岡サポーターズ」を結成し、ボランティアは仕入れ、管理、広報など分担して行なう予定。福岡では天神ソラリアステージ前バス停付近、西鉄福岡駅南口三越前、福岡中央郵便局前など、販売希望者の計5人体制でスタートする。
今後の展開について、同社の佐野章二さんは「福岡で軌道に乗った後、熊本、鹿児島など九州の他県でも活動を広めたい」と話している。