ギャラリー「アートスペーステトラ」(福岡市博多区須崎町2)で9月26日より、京都在住のアーティスト・梢夏子さんの個展「MEMOLADE(メモラーデ)~記憶は曖昧。甘い味。~」が開催されている。
現在、京都で制作活動を行なっている梢さんは、大分県の出身ということもあり、九州で展示会の開催を考えていたところ、昨年同ギャラリーを知り、「アートを手がかりに若い人が集まる同ギャラリーの空気感の面白さに引かれた」と今回の個展が実現したという。国内では、関西以外での開催は初。
同展は、和紙、絹、ガラスに描かれた絵を使用したインスタレーションで、「MEMOLADE」とは「memoly(記憶)」に甘味を加えるという意の接尾語「-ade」を組み合わせた作者の造語。「幼いころの記憶をたどると、事実だと思われる『断片的なもの』がちぐはぐに合わさってくる。それが不思議な景色へ収まる。その曖昧な記憶を甘い視線で描き出した」と梢さん。素材は、シャーレ(ガラス)や絵絹、水など透明感のあるものを使用した。
梢さんは「自身の作品は実験の繰り返し。良くも悪くもその都度の思いつきを形にしたいという気持ちと、平面から成り立つ空間を作ろうという意識でまた1つの作品が仕上がった。また、新しい場所で新しい出会いがあり、面白い可能性が開けた」とも。
10月6日には、ワークショップ「Spend your world!~手ぬぐいを作ろう~」(参加費500円、要予約)も実施する。展示は10月8日まで。