天神の商業施設「イムズ」(福岡市中央区天神1)のコンセプトを取り入れた、同館ホールで行われるコメディー「クラブ・オブ・アリス」の公演が今週末に迫り、出演者らのけいこにも熱が入っている。
同作品は、恋人もおらず、30代後半の女性「アタシ」が中年になってしまった「アリス」と過去を追体験していくストーリー。フリーで役者活動をしている岩城朋子さん、劇団「座”K2T3」所属の小島美紀さんらが出演する。
演出を手がける田坂哲郎さんは「役者の面白さに助けられている。頂点を追えばきりがなく、どこまでやれるか期待感と恐怖でいっぱい」と率直な今の心境を明かした。昨年10月よりけいこを開始。今回は1つの劇団が作り出す作品ではないため、各劇団で活躍する役者が集まり、皆、初対面からのスタートとなった。
「(自身の劇団は客演が多いため)重なる点が多く、演出では問題ない。けいこを続けていくうちに皆仲良くなり、良い意味で遠慮がなくなってきた。意見が役者から生まれて演出家へ跳ね返ってくる。良い具合だ」(同)と好調ぶりを見せる。
けいこ場からは、公演間近である緊張感はさほど感じられず、役者にも指導する側にも笑顔があふれて、和気あいあいとけいこが進む。通常のステージとは違い、客席の中心に設けられた「I」字のステージを使用するため、役者も小道具もステージに出ずっぱり。小道具の出し入れなど細かく決められた手順を丁寧に確認しつつ、けいこが行われている。
昨年12月に行われた会見時と比べ、「(『アタシ』について)役者はもちろん、役自身も成長がうかがえる。『アリス』は役者には非常に悩んでもらった。かわいさだけでなく、人間らしさを突き止め、アタシとアリスの関係からメッセージを感じてほしい」(田坂さん)とも。「10代~50代まで幅広い役者がそろった。同じく、幅広い客層に受け入れられる作品になるのでは」と、今回の公演に期待を込める。
公演は2月9日=19時~、同10日=14時~・19時~。チケット料金は、一般=3,000円、学生=2,000円(高校生以下、当日学生証持参)、ペアチケット=5,500円。ローソンチケット、チケットぴあで販売中。
イムズのコンセプトを取り入れた芝居「クラブ・オブ・アリス」-来年2月公演(天神経済新聞)アートマネージメントセンター福岡