写真家・梅佳代さん新作「じいちゃんさま」、イムズで作品公開

「じいちゃん小さいでしょ?」。会場にある「じいちゃん」等身大パネルの横で幽霊のポーズをとる梅佳代さん

「じいちゃん小さいでしょ?」。会場にある「じいちゃん」等身大パネルの横で幽霊のポーズをとる梅佳代さん

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 イムズ(福岡市中央区天神1)8階三菱地所アルティアムで行われている写真家・梅佳代さんの作品展「スーパーシャッターチャンス祭りin FUKUOKA」で7月26日より、最新作「じいちゃんさま」の公開が始まった。公開に合わせ、梅佳代さんが来福、「自慢のじいちゃん」への思いを語った。

「心霊写真に見える?」とポーズをとる梅佳代さん

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 梅さんは石川県出身の27歳。2006年のデビュー作「うめめ」が11万部を売り上げるベストセラーに。日常のどこにでもある光景だが、見落としがちな、思わず笑いが込み上げてくる、梅さんいわく「ハッとする瞬間」を捉えた作品が幅広い年代に支持されている。

 「可愛い!自慢のじいちゃん」――。「じいちゃんが家にいたっていうのと、遺影を撮ってくれと言われた」(梅さん)ことをきっかけに、「じいちゃんが死にませんように」と93歳の祖父・勝二さんを10年撮り続けてきた。

 会場では、勝二さんが頭にキュウリやバナナを乗せた写真や「虫とかを殺すとき、ありえないくらい鬼になる」というキンチョール片手の「じいちゃん」を写したものなど計80点を展示。独特なタッチで撮られたユニークな写真が来場客の笑いを誘っている。「キュウリがそこにあったので、ちょうどいいんじゃないかと思って。私が乗せました(笑)。ほとんど、アレ?と思った写真は私がやっています」と梅さん。前回、展示していた「男子」でも「かっぱえびせんやイカを鼻に詰めたのも私(笑)」。

 視点のユニークさが人気の梅さん。「何にでも興味津々。そこにいるおばさんやOLの会話が気になったり…。こないだもカレー食べながら、隣のサラリーマンを気になって見ていたら、友だちに怒られた。全然見てないつもりやったのに。そういえば目が合ってたわ~と思った」という天然ぶり。いつでも無意識に「梅佳代ポイント」を探している。

 「写真は思い出の自慢」――。「(写真集『じいちゃんさま』は)ちびまるこちゃんっぽく思われたかってん」。妹の春香さんが「じいちゃん」の頭にキッスしている写真が会場をほのぼのとした空気感に包んでいる。「妹はまるこで、じいちゃんが友蔵」(梅さん)。「まるこのように、春香がじいちゃ~ん、じいちゃ~んと寄っていく時もあれば、(使用後の電気製品はすべてコンセントから抜くという)じいちゃんのせいでビデオの録画が失敗したときは、そんなに怒らんでも、ってくらい怒る(笑)。じいちゃんははるかに使われとる!」。日常の良くある光景を面白可笑しく、気さくに話す梅さん。会場でも、ファンと気軽に会話を交わす。

 会場には、「じいちゃん」とともに「ばあちゃん」が登場している作品も。「ばあちゃんの可愛い写真もたくさんあるけど、ボインが出とったりしてNGが出る」。「畑から帰って寝転がっている、ばあちゃんの服のポケットから幼虫やムカデが飛び出とったりする」と、「ばあちゃんのキャラクターもじいちゃんに負けてない」という。

 「今、1番撮りたいのは?」との質問に、「星」と答える梅さん。「かわいいと言われたいためだけに、ロマンチックぶりっ子路線で行きます!」。今後の抱負は「タモリさんに会いたい」とも。「明るいほうがいい」と、嵐やスピード、織田裕二さんなどのJ-POPを会場のBGMに使う。会場では、「音のない空間が苦手」という梅さんのキャラクターがそのまま味わえる空間になっている。

 営業時間は10時~20時。入場料は、一般=400円(前売り=300円)、学生=300円(同=200円)、中学生以下・70歳以上は無料。8月24日まで。同館地下2階のイムズプラザでは、初写真集「うめめ」の作品約50点を併せて展示している。入場無料。

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