今春、アクロス福岡シンフォニーホール(福岡市中央区天神1)で公演を控える津軽三味線ユニット「吉田兄弟」が公演に向けての意気込みを語った。
兄・良一郎さん、弟・健一さんから成るユニット「吉田兄弟」は、1999年にアルバム「いぶき」でデビュー。良一郎さんは5歳のときに父親の勧めで、父親が洗面器で作ってくれたというお手製の津軽三味線を手にしたことがきっかけ。健一さんも2年遅れで習い始め、津軽三味線の魅力に没頭していく。「袴に茶髪」というスタイルと「津軽三味線はアドリブ性が強く、日本のジャズ」(健一さん)というダイナミックな演奏で人気を集める。
「津軽三味線の良さを海外にも広げたい」(2人)と2003年には全米デビューを果たし、国内外に活動の場を広げる。現在、良一郎さんはなじみのない和楽器の素晴らしさを体験してもらおうと、小中学校で「学校公演」を行っているほか、健一さんは津軽三味線の若手演奏者に演奏の場を与えようと、流派を超えたユニット「疾風」をプロデュースするなど、多岐にわたる活動を展開。今年でデビュー10周年を迎える。
10周年を記念した同公演のタイトルは、デビューアルバムのタイトルでもある「いぶき」。「活発にいぶいていきたいという思いと、これからの『吉田兄弟』を見てほしい、との意味を込めた」(良一郎さん)。
「10年間で変わったことは?」と聞かれ、「着物と、ライブの最後は『津軽じょんがら節』を演奏することは変わっていない。客観的に自身の演奏を見られるようになったかな」と良一郎さん。
「互いの演奏スタイルを見て、自分に無いうらやましい点は?」との質問には、「わびさびが効いた点」(健一さん)、「アドリブが効いたリズミカルな演奏」(良一郎さん)と顔を見合わせながら互いを褒めつつ、「演奏スタイルが違う2人のサウンドが一体となって迫力のある『吉田兄弟』のサウンドが生きてくる」と健一さん。
今回のライブツアーは2年ぶりというバンドバージョン。「節目にふさわしいツアーにしたい。何も考えずに聴いて楽しんでほしい」(健一さん)、「バンドとのライブアレンジが楽しみ。バンドバージョンならではの迫力を感じてほしい」(良一郎さん)と意気込みを見せる。
公演は4月16日、19時開演。入場料は、S席=6,500円、A席=5,500円。ピクニック(TEL 092-715-0374)などで販売中。