福岡アジア都市研究所(福岡市中央区天神1)は3月16日、福岡の街づくりなどにかかわるビジネスマン、クリエーターらを集め、都市のコミュニケーションデザイン「シビックプライド」を学ぶ勉強会を実施した。
「シビックプライド(=市民の都市に対するプライド)」は、18世紀にイギリスで生まれた考え方で、都市の魅力向上のきっかけとして、今、街づくりにおいて注目されているキーワード。「海外の人へ福岡の魅力がパッと伝わり、市民皆が良いと思えるようなツールが生まれるきっかけになれば」(同研究所の研究主査・山下永子さん)と企画。当日は、福岡の街づくりにかかわる若手ビジネスマン、クリエーターら約100人が参加した。
会場では、「シビックプライド」の海外事例を掲載した「シビックプライド」の著者、東京理科大学准教授・伊藤香織さん、日本デザインセンタープロデュース室チーフプロデューサー・紫牟田伸子さんら「シビックプライド研究会」のメンバーらによる海外事例の紹介、「福岡らしいシビックプライドの展開とは」などをテーマにした議論が行われた。
勉強会に参加した福岡市道路下水道局の吉武寛志さんは「福岡人は福岡が好きだが、理由を問われると答えられない。その『理由=魅力』を明確に答えられるような『形』にできるよう、この会をきっかけに勉強していきたい」と話す。
山下さんは「福岡が『シビックプライド』という考えを取り入れた国内都市としての社会実験の意味も込めた。専門家にアドバイスを受けながら、福岡の魅力が伝わるツール作りができるよう、『シビックプライド』をテーマにした企画を今後も継続していきたい」と話している。