福岡市は2012年8月に設立した仮想行政区「カワイイ区」を3月末で廃止する。2月20日、区民に配信するメールマガジンでも発表された。
「カワイイ」をキーワードに福岡市の魅力を広くPRしようと立ち上げた仮想行政区で、初代区長には福岡県出身の元AKB48メンバー篠田麻里子さんが就任、区民の登録には受け付け開始から約半日で当初目標としていた1万人を超えるなど、話題を集めた。
だが、翌年2月には「『カワイイ』という言葉が男女差別を助長する」などと批判する声が上がり、「タレントイメージを損ねる」と市が配慮した形で篠田さんは区長を退任。同年9月に福岡の街や文化を紹介する動画をユーチューブに配信していたカナダ人女性のミカエラ・ブレスウェートさんが新区長に就任し、再発進していた。
メルマガで区民特典などの配信や、企業との商品開発などタイアップ企画も展開していたが、初代区長の退任で区民数が減り、2代目区長の就任以降、現在の登録数約4万2000人に上ってからは大幅に区民数が増えることはなかった。総事業費は約3,300万円。
「珍しい企画が話題を集めて、『福岡市=チャレンジ都市』というイメージを全国に広めることができた」と担当者。「そのチャレンジ精神を生かした『カワイイ区』に代わる新たなプロモーション事業も動いているので今後も期待して欲しい」と話す。
3月末まではホームページなどで福岡の情報発信などを行っていく予定という。