生涯学習の場を提供しようと、各界の著名人の講演会などを開く「九州市民大学」が来年1月、開学30周年を迎える。
地域文化向上などを目的に、年12回開く著名人による講座や名所旧跡を巡る野外研修ツアーなどを行う取り組みで、1987(昭和62)年に福岡市中央区天神で開学した。受講生からの受講料収入のみで運営しており、講師選びなどを担う運営委員はボランティアで活動している。
開学当初は1200人だった受講生も、今では過去5年間平均で2900人を超え、これまでで延べ73万人が受講した。年齢層も20~90代と幅広い。最高齢は95歳の女性で、15年間、佐賀から通っているという。
「30周年の節目、講師陣に力を入れた」(梶山千里学長)という来年の講座は、歌舞伎役者の片岡仁左衛門さん、俳優の仲代達矢さん、ジャーナリストの田原総一朗さん、NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」などを手掛けた脚本家・中園ミホさんらを講師に迎える。20年以上継続している受講生には受講料を割り引くサービスや、「若い世代に受講してほしい」と30歳以下への優遇制度など、30周年の記念事業を盛り込む。
梶山学長は「地元の方の支援で続いた。これからも受講生の知的欲求を満たし、地域文化の発展に取り組んでいきたい」と話す。
年間受講料は2万3,000円(家族割引なども設定)。