福岡アジア美術館(下川端町3、TEL 092-263-1100)は7月30日より、台湾の女性日本画家「陳進」の生誕100年を記念した展示会を開催する。
同展では、陳さんの代表作から素描まで約101点を展示するもので、20世紀、独自の道を切り開いた台湾絵画にフォーカスするもの。作品は、前半生は台湾らしい女性像を描いているが、結婚後の後半生は「みどりご(嬰児)」や「花嫁(新娘)」のように妻、母親、家庭人としての日々の生活を題材に描いているのが特徴。
「作品は、かわいいジュエリーなどを立体的に描くなど細部の描写が非常に美しい。女性をテーマにした作品が中心なので、展示会場はとても華やかになっている」と、同展担当のラワンチャイクン寿子さんは話している。
陳さんは、日本統治時代に活躍をはじめた画家の一人。1907年、台湾の裕福な家庭に生まれ、台北第三高等学校で日本画家・郷原古統さんの教えを受けた後、東京女子美術学校(現・女子美術大学)に留学。卒業後は鏑木清方や伊東深水などに学んだ。
このほか、展示会場では陳さんと同時期に日本で活躍した日本人画家の作品30点も展示する。料金は、一般=800円、高大生=500円。開館時間は10時~20時。9月10日まで。