大名小学校跡地に今春開業予定の複合施設「福岡大名ガーデンシティ」(福岡市中央区大名2)の施設内広場が1月20日、オープンした。
「福岡大名ガーデンシティ」は、ホテル、オフィス、商業施設、レジデンス、コミュニティ施設などから構成される複合施設。民間ビルの建て替えを促進し、天神地区に新たな空間と雇用を創出しようと福岡市が取り組むプロジェクト「天神ビッグバン」構想の一環で、「積水ハウス」(大阪市北区)、「西日本鉄道」(博多区博多駅前3)、「西部瓦斯」(博多区千代1)、「西日本新聞社」(中央区天神1)、「福岡商事」(中央区大名2)の5社から成る「大名プロジェクト特定目的会社」が開発を手がけ、2019年から工事を進めてきた。
施設コンセプトは「MEET SYNERGY 門をくぐって、次の福岡へ。」。施設はホテルやオフィス、カンファレンス施設などから成る「オフィス・ホテル棟」、公民館や創業支援・人材育成施設から成る「コミュニティ棟」、施設内中心部の広場、イベントホールなどで構成される。建物の全体概要は、地下1階、地上25階建て、延べ床面積は約9万平方メートル。敷地面積は、約1万平方メートル。
今回、施設の全面開業に先駆けオープンした広場は、面積約3000平方メートル。校区行事の活用を考慮した形状となっているほか、ベンチやイベントホールは市民の憩い・にぎわい創出の場として開放する。広場内には、福岡出身の人形師・中村弘峰さんが製作した、登ったり座ったりして遊べる、こま犬をモチーフにした遊具「大名の大狛犬(こまいぬ)」や、「医療法人清明会 PICFA(ピクファ)」在籍アーティスト・本田雅啓さんの「緑と都市と自然」をイメージしたアートボードなどを設置する。
同日、同広場オープンに伴う、オープニングセレモニーが行われ、高島宗一郎福岡市長をはじめ、福岡出身の俳優・今田美桜さんが駆け付け、テープカットやトークセッションを行った。「大名の大狛犬」を制作した中村さんや、アートボードを制作した本田さんらもセレモニーに登壇し作品を披露した。
広場オープンについて、積水ハウス専務の石井徹さんは「市民の皆さまの憩いの場となることはもちろん、情報を発信する場、芸術や音楽、映像を楽しむ場など、形にとらわれない使い方をしてもらいたい」、高島市長は「これから大きな価値を創造するシナジーの交差点として、多くの人にとっての象徴的な場所になれば」と話す。
セレモニー後のトークセッションで、今田さんは「地域の皆さんと共に、どんどん大名が発展していくことがすごく楽しみ。国際交流の場など、大名から福岡が世界に発信されていくことを願っている」と期待を寄せる。
広場のオープンに合わせ、1月21日・22日は施設コンセプト体感イベント「THE MEET SYNERGY DAYS」を開催する。両日、地産地消にこだわった九州産食材やグルメの販売、福岡産素材を活用したワークショップなどを行う。
商業フロアは、4月6日に3店、6月8日に15店のオープンを予定している。オフィス入居は4月から順次。ホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」の営業は今年春以降で現在調整しているという。