展覧会「福岡県立美術館開館40周年記念 没後50年高島野十郎(やじゅうろう)展(高ははしごだか)」が現在、福岡県立美術館(福岡市中央区天神5)3・4階展示室で開催されている。
高島野十郎(1890~1975)は福岡県久留米市出身で、福岡や東京、千葉にアトリエを構えて活動した洋画家。同展は、福岡県立美術館の開館40周年と野十郎没後50年を記念して開く展覧会。今年の7月に千葉でスタートし、福岡は2会場目。今後、愛知、大阪、東京、栃木を巡回予定。初公開作品を含む野十郎の作品、デッサンや手紙などの資料、関連作家の作品など約170点を展示する。
同館学芸員の高山百合さんは「高島野十郎は、当館の長きにわたる調査研究の中で見いだし、注目してきた作家の一人。当館が開館して40年間の活動と、野十郎の再評価の軌跡が重なることから、当館のこれまでの歴史を語る上でも必要不可欠な作家」と紹介する。
会場は、プロローグ「野十郎とは誰か」、第1章「時代とともに」、第2章「人とともに」、第3章「風とともに」、第4章「仏の心とともに」、エピローグ「野十郎とともに」の章で構成。「蝋燭(ろうそく)」「月」「太陽」をテーマにした連作、「からすうり」「菜の花」など代表作品、初公開作品21点のほか、青木繁や坂本繁二郎などの直接交流を持った福岡出身の洋画家や、岸田劉生や木村荘八萬鉄五郎などの画風に類似性が見られる作家の作品なども併せて展示する。
グッズコーナーでは、展覧会図録(3,000円)、「ハンカチーフ(菜の花、からすうり、桜)」(2,200円)、「高島野十郎ようかん」(6柄、432円)、クリアファイル(550円)、額絵ポスター(440円)、ポストカード(165円)、ピンバッジ(1,320円)、エコバッグ(2,200円)などを販売する。
高山さんは「世間や画壇とは没交渉の『孤高の画家』と長らく言われてきた高島野十郎像を見直し、人との関わりや時代との関わりなど、多面的な部分も膨らみを持たせて伝えたいと考えて企画した。新しい地で巡回しこれまで野十郎に出会ったことがなかった人や若い世代にも、野十郎の作品に関心が集まるきっかけになれば」と来場を呼びかける。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。月曜休館(祝休日の場合は翌平日)。入館料は、一般=1,600円、高大生=1,000円、小中生=600円。12月14日まで。