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福岡市美術館で「南国」描いた近代絵画展 日本の美術家の作品200点展示

特別展「珠玉の近代絵画─『南国』を描く。」の会場の様子

特別展「珠玉の近代絵画─『南国』を描く。」の会場の様子

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 特別展「珠玉の近代絵画-『南国』を描く。」が現在、福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園)2階特別展示室で開催されている。

会場の様子

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 同展は、明治以降、南へ向かった日本の美術家たちが描いた「南国」の作品を紹介する展覧会。旅行や移住、新しい画題を探すこと、あるいは軍からの派遣など、公私にわたるさまざまな目的で、南へ渡航した日本の画家たちの作品を、「南」という切り口で紹介する。

 同館学芸員のラワンチャイクン寿子さんは「初めて『南』というテーマで開催する展覧会。近代の台湾や東南アジア、インドなどの美術の背後や傍らに近代日本の美術家の影を感じる。南へ渡った画家たちの行動と制作された作品を眺望することで、近代日本の美術の別の一面が現れ新しい景色が広がればと思い企画した」と話す。

 会場では、伊豆大島や八丈島、沖縄、台湾、南洋諸島、インドなどを描いた作品227件を展示する。「南国」を描いた作品に多く登場する植物「ヤシ」やヤシ科の植物「ビンロウ」、水牛やゾウ、クジャクなどが描かれた絵画、人物やヤマタノオロチなど表現した木彫りの彫刻、スケッチ、はがき、写真など。展示する作家は、横山大観や橋本関雪などの日本画家、藤田嗣治や中村研一などの油彩画家、坂本繁二郎などの福岡出身の画家など60人に上る。

 ラワンチャイクンさんは「南に向かった作家たちは、その土地の自然や風俗、動植物などに感動しながら作品に表現している。南から帰ってくると作風が変わる作家もいて面白い。明治から昭和にかけての近代の日本人作家が歩んだアジアを巡り、描かれた『南国』を体感してもらえたら」と来館を呼びかける。

 開館時間は9時30分~17時30分(10月の金曜・土曜は20時まで。入館は閉館の30分前まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は、一般=1,500円、高・大学生=1,000円、中学生以下無料。11月24日まで。

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