障がいのある方が"就職後に孤立しやすい"課題に向き合うため、NPO法人Build Up Inclusion FUKUOKAは福岡市立中央障がい者フレンドホームと連携し、2025年度の「ホッとサークル」イベントを年間5回実施することを発表しました。本プロジェクトは、障がい者雇用後の継続的な支援を強化し、生涯学習を通じて学びとつながりの場を提供します。
背景と社会的課題
「ホッとサークル」は、障がい者の就労定着支援事業終了後に困る方々のサポートが不足している現状に応えるためにスタートしました。この課題は、2年半にわたる専門家同士のケース検討会を通じて明確になり、障がい者が就労後に直面する生活の質の低下や社会的孤立の問題に対処する必要性が浮き彫りになりました。その結果、社会参加を促進する活動が求められるようになり、「ホッとサークル」はその解決策の一つとして位置づけられています。
障がいのある方の就労後に生じる"支援の空白"を可視化した図です。制度の枠組みだけでは届かない課題を、地域と連携して埋めていく必要があります。
本図は、福祉サービスから就職した後に起こりやすい「サポートの分断」を示しています。制度上の支援が終了しても、本人の困りごとは続いており、就労後も地域での伴走支援が求められています。
「ホッとサークル」の目的と活動内容
「ホッとサークル」は障がい者の社会参加を支援し、就職後の充実した生活をサポートするイベントです。生涯学習を取り入れ、学びつつ社会的つながりを強化することをテーマに、参加者同士のネットワーキングやスキルアップを図ります。イベントは、スキルアップワークショップ、ティータイム交流などを通じて、参加者が気軽に学び、交流できる場を提供します。
年間のスケジュールと活動の流れ
2025年度は年間5回の開催を予定しており、各回には就労定着支援事業所を中心にさまざまな企業や地域団体が協力します。イベントでは、障がい者の就職後の生活向上を目的に、キャリアアップのためのスキルアップ講座や自己表現力を高めるワークショップも予定しています。
第1回:6月14日(土)ヤクルト健康教室
?? 健康管理の基礎知識を学び、生活リズムの安定と就労継続への土台づくりを図る。
第2回:8月9日(土)キャリアプランニング講座(仮)
?? 自分の興味や強みを再確認し、将来の方向性や仕事との関わり方を整理する。
第3回:10月11日(土)ライティング講座(仮)
?? 書く力を通じて自己表現力を育み、履歴書・職場コミュニケーションへの応用を目指す。
第4回:12月13日(土)メンタルヘルス講座(仮)
?? ストレス対処や自己理解を深め、働き続けるための心のケアを学ぶ。
第5回:3月14日(土)コミュニケーション講座(仮)
?? 職場や地域との関わり方を学び、対人不安の解消と関係づくりの力を育てる。
代表者コメント|この協働の意味
●福岡市立中央障がい者フレンドホーム 施設長 此上三生 様
「ホッとサークルとの年間協力が決まり、非常に嬉しく思います。障がいのある方々が社会で安心して働き続けるための支援の場を提供することは、私たち福祉事業者にとって重要な使命です。今後も地域との連携を深めて取り組んでいきたいと考えています。」
●NPO法人Build Up Inclusion FUKUOKA 理事長 田中祐司
「福岡市立中央障がい者フレンドホーム様との協力が決まり、大変心強く感じています。障がい者雇用の支援活動において、地域と連携しながら進めることは非常に意義深いことです。このプロジェクトが、多くの障がいのある方々にとって、仕事を続けるための支えとなり、社会参加を促進するきっかけとなることを期待しています。」
今後の展望
「ホッとサークル」は、障がいのある方々がより良い社会参加を果たせる場となることを目指し、地域社会全体で支援の輪を広げていきます。2025年6月に開催予定の次回イベントから、年間を通じて定期的に実施され、この取り組みを通じて、障がいのある方々の社会参加と地域貢献が進んでいくことを期待しています。今後は企業・行政との連携にも取り組み、福岡全域での展開を視野に入れています。