「Rethink Creator Project」地域セミナーを福岡で開催
制作:天神経済新聞編集部
「自ら考え、発信することができるクリエイター」を“学び”と“挑戦”を通して創出していくプロジェクト「Rethink Creator Project」の地域セミナーが3月16日、クリエイティブセンター福岡(福岡市中央区今泉)で開催されました。
主催はクリエイターの育成を通じて、クリエイターに新たな働き方を提案するクリエイターズマッチ(東京都渋谷区)。JT(東京都港区)が「Rethink-視点を変えて考える‐」をキーワードに2018年から展開する「JT Rethink PROJECT」と昨年よりコラボレーションを開始し、視点を変えて考え(Rethink) - 考えを形にし(Creative)- 伝えることができる人財(Rethink Creator)を生み出していくプロジェクト「Rethink Creator Project」を実施しています。
「Rethink Creator Project」は、経験の浅いクリエイターや、ライター・デザイナーを目指す未経験者など、誰もが参加できるプロジェクト。初年度は全国9地域でセミナーを開催し、各地域で取り組みへの共感と好評を得たといいます。セミナーの「学びの場」と、コンテストの「挑戦の場」の提供を通じて、現在は2700人がプロジェクトに参加登録しています。
2019年度は「クリエイターの地産・地消による地域創生の実現」をコンセプトに掲げて規模を拡大し、全国24カ所で地域セミナーを予定しています。3月9日に開催された第一弾の神戸では、定員を大きく上回る参加申込みや、神戸市との共催が実現するなど幸先の良くスタート。2年目を迎えた同プロジェクトに共感する自治体から声が掛かり始めるなど、共催や後援の話がスムーズに進んでいるといいます。
昨年に続き2年連続開催となる福岡セミナー。当日は20~40代を中心に、10代~50代の男女31人が参加しました。クリエイターズマッチRethink Creator Projectプロジェクトリーダーの羽室吉隆さんが「ちょっとしたクリエイティブの力で、地域の気づき、発見をしていきましょう」と参加者へ呼び掛けました。
共同講師のフリーランスデザイナー・城戸貴子さん
地元クリエイターとして共同講師を務める、フリーランスデザイナーでWebやAppを中心にデザイナーとして活動する城戸貴子さんは「今日はみなさんにモノづくりの楽しさをお伝えしたい」と挨拶。参加者は4~5人ずつのグループとなり和やかな雰囲気で、羽室さん進行の下「Rethink講座」「Createワークショップ」などが行われました。
「Rethink講座」では、「Rethink=視点を変えて考える」ために、「内側から見る(INSEIDE)」、「FILTER(フィルター):注目して見る」、「CAPTA(カプタ):印象を見る」の3つの「視点の変え方」を紹介。「屋台」など福岡のイメージとしてよく知られた情報を「外側から見た福岡」、その一方で「内側から見た福岡」について、羽室さんは「地域の身近な情報、皆さんにとっては当たり前かもしれないけど外の人には当たり前じゃない情報、それがいわゆる『地域のらしさ』というものになる」と伝えます。例えば「城戸さんの印象(カプタ情報)ってどんなもの?」など身近なものを「Rethink」する問いかけに、参加者らは積極的に答えていました。
「createワークショップ」では福岡の写真のコピーを考えて魅力を表現し、簡単にデザインで表す所までを実践。福岡の身近な情報として「新鮮な魚の刺身」「十日恵比須神社の正月大祭」「ごぼう天うどん」「夜のゴミ収集」など6つの写真をテーマとしました。参加者らは「Rethink講座」で学んだ内容をもとに、初めに1人ずつコピーを考えて、次にテーブルごとにコピーをシェア。「1番良いコピーはどれか?」など、各テーブル毎に互いのコピーについて活発な意見交換が行い作品を選びました。
最後に「ワークショップ成果発表」として、ワークショップで生み出したコピーとテーマ写真を合わせクリエイティブとして完成。自分たちの作品についてテーブルごとに発表し、講評がありました。参加者たちは他のグループの発表を聞いて、共感してうなずいたり、一同笑ったりと、会場一体で楽しみながら伝え合いました。
参加した30代女性は「『Rethink』という考え方がとてもわかりやすく、誰にでも価値を再発見できる面白い視点だと思った」、20代女性は「自分だけでは思いつかなかった地元福岡の魅力や新たな発見ができてとても楽しかった、コンテストに応募してみようと思う」と感想を寄せました。
40代男性は「クリエイティブを生み出すとてもいいイメージができました。地元を盛り上げるには、と考えていたのでとても楽しかったです」、30代女性は「物の見方が変わりました。デザインに触れたことがなく難しいことだと考えていましたが、もっと身近に感じていいと思えました」と感想を寄せ、参加者たちはそれぞれ新たな気づきや学びを感じ、セミナーは盛り上がりを見せました。
主催者のクリエイターズマッチ・羽室吉隆さん
主催者のクリエイターズマッチ羽室さんは「職業クリエイターも、そうでない人も含めて、地元の魅力を地元の人が発信できることが正しいと思っている。地元に住んでいないと見えない魅力や、地元に住んでいるからこそ分かるものを地元の人が発信する、という所までを伝えるセミナーにしたい。デザインできる人という話ではなく、地域の魅力を自分で見つけて発信できる人、がその地域にたくさんいると良いと思う」と想いを話します。
さらに同プロジェクトではセミナーで学んだことをアウトプットできる場として、「クリエイティブコンテスト」を設け、クリエイターの育成や底上げを目指すといいます。 「皆さんにコンテストに応募してもらいたい。良い作品はみなさんの住んでいる土地の魅力をどんどん世の中の人の目につく所にたくさん発信していきたいと思っている。地元のクリエイターさんと、その地元の方々と一緒にディスカッション、ワークショップをして魅力を見つけていく、そしてそれを地元の人が続けていく」という好循環を作りたいといいます。
福岡セミナーを振り返っては、「福岡はコンテンツが盛りだくさんで細かいネタも多い印象、面白い作品も多かった、また福岡でもやりたい」と笑顔を見せました。
プロジェクトに協賛するJT・黒髪祥さん
JTの黒髪祥さんは「僕らはこれまで分煙や喫煙マナー促進などに取り組んできた。その活動をしていく中で、そもそも『たばこをRethinkしないといけないのでは?』という所で始まったのが『JT Rethink Project』。この活動をしていく中で、たばこだけではなくてライフスタイルであったり、地域であったり、色々な事を考えることで色々な視野が見えるのでは、と今ではたばこ以外の活動にも広がっている。『Rethink-視点を変えて考える‐』を世の中に広げるには、考えるだけでなく、リシンクしてクリエイトするという掛け算で良いものが生まれる。皆さんからのアイデアをすごく私達としても楽しみにしている」と協賛の理由を明かしました。
さらに今後の展望について、黒髪さんは「このプロジェクトが日本中、世界中に広がってリシンククリエイターが増えていくことで、新しいムーブメントが起こせるのではないかと思っている」と大きな期待を寄せました。
「Rethink Creator Project」ではセミナーでの学びを生かした「挑戦の場」として、誰でも参加できるコンテストを年3回開催。次回は地域セミナー第1シーズン後の4月上旬~5月中旬に「Rethink Creator 賞」「JT Rethink 賞」2つのテーマに沿った作品を募集します。
羽室さんは「デザインのクオリティを図るというよりはアイデアや、地元愛があふれた作品を募集したいというコンテスト。どなたでも参加できます。コンテストで賞に選ばれた方は、年末の表彰式にお呼びします。全国各地のRethink Creatorと会えるので、良い情報交換や良い出会いになると思う。1人何個も応募してもらってよいので、たくさんの作品を待っています」と呼びかけています。
今後のセミナー開催日程について
米子セミナー
【定員】40名
【日時】3/30(土)14:00~16:00
【会場】米子市文化ホール
【住所】鳥取県米子市末広町293
第2回 神戸セミナー(神戸市共催)
【定員】50名
【日時】4/1(月)18:30~21:30
【会場】ON PAPER
【住所】兵庫県神戸市中央区江戸町85 ベイ・ウイング神戸ビル10F
大阪セミナー
【定員】40名
【日時】4/7(日)14:00~16:00
【会場】OBPアカデミア
【住所】大阪府大阪市中央区城見2丁目1 城見2-1-61 ツイン21 MIDタワー9階
萩セミナー(萩市後援)
【定員】40名
【日時】4/13(土)14:00~16:00
【会場】明倫学舎復元教室
【住所】〒758-0041 山口県萩市江向602
熊本セミナー(熊本市後援)
【定員】50名
【日時】4/16(火)18:30~20:30
【会場】くまもと県民交流館 パレア
【住所】〒860-0808 熊本県熊本市中央区手取本町8-8-9
札幌セミナー
【定員】30名
【日時】4/20(土)13:00~15:00
【会場】デジタルハリウッドSTUDIO札幌
【住所】北海道札幌市中央区南2条西3丁目12-2 トミイビルNo.37