特集

福岡の街ネタサイト「Y氏は暇人」
管理人Y氏こと山田孝之さん

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■気付けば街ネタサイトに

Y氏が見つけた面白いもの、珍なもの」をテーマに、古地図と今を見比べながら掘り下げた歴史や街ネタ、建築物など福岡を中心にY氏が紹介する情報サイト「Y氏は暇人」。Y氏こと山田孝之さんは佐賀県出身。大阪の大学を卒業後、就職を機に福岡へ移り、約10年になるという。アパレル勤務を経て、ホームページ制作の会社を立ち上げ独立。その際にビジネスチャンスにつながればと20134月に同サイトを開設した。

「初めはホームページでの集客方法など会社のPRを目的にした記事を中心に書いていた」というY氏。「合間に今日はこんな店に行ってきました、実は福岡にはこんな歴史が…みたいな記事を書いていたら、そっちの方が好評で(笑)。気付いたらこの状況でした」と明かす。

明日誰かに教えたくなる天神のトリビアから、知る人ぞ知る個性が強い名店、謎の看板など、勉強になるものから、思わず笑ってしまうものまで盛りだくさんの内容だ。1月には傑作記事を集めた書籍「福岡路上遺産」も出版した。

「ドライブ好きが高じて地図を読むのが好き」というY氏。「古地図と見比べるのが癖になり、興味がある場所には実際に足を運ぶようになった」という。約3年間で書いた記事は約1000本。出向いた場所は約500カ所に上る。「マンホールの写真を撮るためだけに、とんでもない所へ行ったり。なんでこんなに頑張っているのかと思うこともしばしば」と笑いを誘う。

「世話をしなくても枯れないようにと畑に飾る花をペットボトルで作る90歳ぐらいのおばあちゃん、タバコの箱で小さな傘を作るのが得意な方など、本当に福岡は個性が強い人が多い」とY氏。「また、それを自分の個性だと気づいてない人も多くて…(笑)」という。「訪ねていっても、好きなことをしていて充実しているからか、心が広くて優しい方ばかり。『こんなものみてどうするの?』と言われたり、謙虚な方が多い。自分のおごり高ぶる気持ちとか恥ずかしくなりますね」と話す。「そんな個性に気付いていない人に光を当てる…と言えばおこがましいが、どういう思いで作っているのか、取り組んでいるのか聞いてみたい。ただそんな気持ちです」と話す。

Y氏に聞く天神の面白スポット

「へぇ~」探しのプロ・Y氏。天神周辺にも面白スポットがあちらこちらにあるらしい。Y氏おすすめの珍スポットを聞いてみた。

○福岡市動物園に恐竜?

福岡市動物園(福岡市中央区南公園)に巨大な恐竜の像があるとのこと。全長23メートル、高さ9メートルの大きさで、昭和291954)年に寄贈され、現在は閉鎖されている北門のシンボルとして置かれていたものという。残念ながら非公開だが、「サル山から一部が見えることもある」とY氏。



○船好きの隠れスポット

福岡造船の工場の真横にあるカフェ「港カフェ ブレス」(港3)。「2階の窓側席からのぞくと迫力があり、船好きにはたまらない場所では」とY氏。



○メニューが豊富すぎる定食屋

サンセルコ(渡辺通1)地下1階にある、メニューの写真が載った黄色い画用紙が壁一面を敷き詰める定食屋「ビック鯛はのぼる」。「ココが個性強い。面白い。情報量がすごくて困惑」とY氏。「シェフはプリンスホテルで務めていたこともあり、味はおいしい」とY氏も絶賛のようだ。「ご飯は店内に並ぶ炊飯器からセルフサービス。ちなみにみそ汁も炊飯器からセルフサービス」とのこと。



○まだまだあった、珍ネタの宝庫「サンセルコ」

Y氏が「まさにカオス」と記事の見出しに付けた、サンセルコ2階の骨董屋「キャメルハウス」。レトロなストーブや昭和から時を刻んでいそうな腕時計、キューティーハニーのお面、片方だけのブーツ、謎の置物系などが並ぶ。「宝探しが楽しめる」とY氏。「値付けも適当。数個レジへ持っていくと『ん~千円!』みたいな」。



――「珍スポットを見つけるコツはとにかく歩くこと」とY氏。まだまだ、おすすめスポットについて話し足りない様子のY氏。「これからも皆さんが人に教えたくなるようなネタ探しをがんばりたい」と目を輝かせる。

取材・文/編集部 秋吉真由美

Y氏は暇人

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