■官兵衛モチーフの商品が続々

◇「藩祖官兵衛ロングバームクーヘン」（二鶴堂）

黒田官兵衛が織田信長から授けられた名刀「圧切（へしきり）長谷部」をモチーフにしたバームクーヘン。名刀をデザインしたパッケージが特徴で、「博多土産として喜ばれる逸品」と同社の林宏昭さん。同社の銘菓「博多の女」の生地をベースにしたチョコレート味のバームクーヘンの長さは50センチ。昨年12月1日より発売し、予想以上の人気で現在は1日30本の限定販売となっている。価格は945円。

◇「博多うどん」（サンポー食品）

やわらか太麺に肉とごぼう天を入れ、うどん発祥の地「福岡」のうどんを再現したという同商品。スープは、かつおや利尻産の昆布をベースにし、いりこや焼アゴを加え「博多仕様のだしがきいたしょうゆ味に仕上げた」と企画管理部の次長・牟田厚志さん。価格は190円。

◇「博多あんぱん」（リョーユーパン）

「軍師官兵衛」福岡プロジェクト協議会のPRキャラクター「ふくおか官兵衛くん」のイラストが入ったパッケージデザインで、つぶあんと白あんの2種類を用意。九州、中国・四国、関西の一部のエリアで販売。「黒田官兵衛と福岡県のPRになれば」と企画広報部の北村桃子さん。価格は137円。

◇「シメオン・ジョスイ」（如水庵）

官兵衛（隠居名・如水）の洗礼名「シメオン・ジョスイ」から名付けた同商品。如水が書いた手紙に押していた洗礼名「シメオン・ジョスイ」の印章をかたどったという焼き菓子は、天草産の晩柑オレンジと「とよみつひめ」など福岡産いちじくを使用。価格は1個95円。

◇「官兵衛の赤合子」（如水庵）

官兵衛が戦でかぶっていた兜（かぶと）「赤合子（あかごうす）」を黒糖生地とつぶ餡のどら焼きで再現した焼き菓子。「生涯50数回の合戦で負け知らずの全戦全勝の物語を菓子で表現した」と如水庵の企画販促部・東本宗一郎さん。価格は1個158円。

◇「福岡藩祖官兵衛ビール」（ケイズ）

福岡のクラフトビール「ブルーマスター」に福岡藩祖官兵衛ラベルを施した商品が登場。「主役の料理を引き立てる役割に徹しながらも、独自の個性を発揮する魅力が官兵衛を彷彿とさせる」とケイズブルーイングカンパニーの加藤秀則社長。価格は420円。

■官兵衛の甲冑が3Dに！？

　福岡市博物館（福岡市早良区百道浜3）1階ミュージアムショップには黒田官兵衛や長政らの甲冑を3Dプリンターで出力した3Dフィギュアが登場した。昨年12月中旬より販売を開始したが、予想以上の売れ行きで入荷後すぐに完売するという状況が続く人気商品となっている。

　後世への資料の保全・保管を万全な体制で行っているものの、経年的な劣化を完全に防ぐことを難しいことから、同資料の鎧や兜などを3次元計測。資料の3DCG化を図ったことがきっかけ。同館の監修のもと福岡市文化芸術振興財団が制作している。

　今回販売しているのは、黒田官兵衛所用の「朱漆塗合子形兜・黒糸威五枚胴具足」（写真上）、黒田長政所用の「銀箔押一の谷形兜・黒糸威五枚胴具足」（同中）、黒田一成所用の「大小頭立置手拭形兜・鉄錆地紺糸威丸胴具足」（同下）の3種類。サイズは約10センチで価格は各3,465円。

　「甲冑類は正確な造形物として製作されたことはなく、初めての3Dモデル化となる」と福岡市文化芸術振興財団の山本祥子さん。今後は第2弾として長政所用の「黒漆塗桃形大水牛脇立兜」なども販売する予定という。

――官兵衛ゆかりの地の街歩きやバスツアーなども福岡の歴史・文化資源を全国へ発信しようと実施されているほか、神出鬼没の「福岡黒田武将隊」も現代の福岡が気に入ったようで、まだまだ福岡の街を闊歩（かっぽ）するつもりとか。今後、ますます盛り上がりを見せる官兵衛ブームから目が離せない。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　取材・文／編集部　秋吉真由美