博多「一風堂」が年内NY進出へ-「スシ」に続く日本食文化を

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 力の源カンパニー(福岡市中央区薬院1)は年内をメドにラーメン店「博多一風堂 ニューヨーク店」をニューヨーク・マンハッタン島・イーストビレッジに出店する。過去に現地企業と合弁で中国に出店したことはあるが、同社単独での海外進出は初。

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 「一風堂ブランド」の価値を高めることと、世界ではチャイニーズヌードルの印象が強い「ラーメン」を差別化して、「スシ」「テンプラ」に続く日本食文化として広める先駆者的存在になることを目標に、2000年にニューヨーク進出計画が立ち上がった。

 モダンな雰囲気の他店舗より差別化されたディスプレーが特徴の同西通り店の店舗デザインは、当時の構想段階の「ニューヨーク出店の際は、こんな雰囲気で」というコンセプトのもとで作られている。しかし、2001年のニューヨークテロ事件でいったん凍結し、2005年に進出が本格化してきた。

 ニューヨーク大学近くの住宅ビル1階に位置する同店の店舗面積は80坪。席数は80~85席で営業時間は11時~26時を予定。地下は厨房として利用し、エレベーターを挟んだ「コ」の字の店内設計で、博多の屋台を「スタイリッシュ」に表現したウエイティングスペースやラウンジ、個室を設ける予定。国内で展開する同店より、落ち着いた雰囲気を演出し、「アルコール類、創作料理、締めにラーメンを楽しむ」という同店が運営する「ラーメンダイニング 五行」のスタイルに近い業態にするという。創作料理も独自性を生かす。メーンターゲットは、現地在住の日本人を始め、30代~40代の感度の高いアメリカ人。

 テナント物件の契約が3月末に終了し、現在は具体的な店舗設計を練っている最中。同社の河原成美社長の「出店はイーストビレッジの自由な場所で」という考えのもとで、いくつかの候補を実際に見て歩き、吟味して決定したロケーション。酒類販売許可証(リカーライセンス)の取得など、さまざまな問題をクリアしなければならず、同社店舗開発担当の小川剛さんは、出店が具体化してきた2005年5月以降、約18回、福岡とニューヨークを往復しているという。

 「本国と同じ方法でアピールしてもローカルな食べ物として終わる可能性がある。プライドを持ち続けて、独自の色を無理に押し付けるのではなく、その地域の特色に合わせることが重要。まず『ラーメン』という食べ物の存在を知ってもらうことが第一。現地の人になじみやすい商品提案で興味を持ってもらい、その後「本場の味」を知ってほしい」と小川さん。

 スタッフは、現地でも募集を行うが、味とサービスがそろって初めて評価されるという基準がある同国で、より質の高い接客を学び、モチベーションアップを目的に、日本から全社員を3~4人ずつ交代で研修として派遣するという。日本でのサービスのレベルアップの相乗効果も狙う考え。

 小川さんは「地域の特性はあるが、『1人のお客様と1杯のラーメンから始まる』という思いは世界中どこでも通用するはず」と話している。

一風堂

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