大丸・福岡天神店(福岡市中央区天神1)本館6階アートギャラリーで8月20日より、「國重友美 英漢字展」が開催されている。九州での開催は初。
「英語+漢字=英漢字」――。「SEA」の3文字で「海」を書く。一見、「勝」という漢字に見えるが良く見ると、「Victory」の7文字が合体して「勝」という文字が書かれている。「英漢字」とは、英語と漢字を組み合わせたもので、元タレントで書道家の國重友美さんが、大学時代の留学生の友人が漢字の書き順に苦労していたことから、「外国人に日本語を分かりやすく教えられるために」と考案した。
國重さんは6歳から書道を始め、大学時代に「日本語はなぜ、『ひらがな』『カタカナ』の2種類に留まったのか?」と疑問を持ち始めたことをきっかけに「文字」に興味を持ち始める。「『書』の白と黒の美しさに魅せられて、次は『筆』。そして『筆職人』にまで夢中になり、『文字』の歴史を学んでいた。徹底的に『文字』のとりこでした」と國重さん。
ある日、筆記体で書いた「truth」の文字が漢字の「真実」に見える。それをきっかけに「LOVE」で「愛」を書いた作品や「宇宙」で「SPACE」を書く…など、次々と作品を生み出していったという。國重さんは「きちんと、漢字・ローマ字とも正しい書き順で書ける」とも。
2003年に初の個展を開催。同年に「英漢字」を商標登録する。全国の百貨店などに直接足を運び、自分で営業活動を行うほか、「人との出会いは本当に貴重なもの。作品は子どものような存在だし、伝えたいことが真っ直ぐ伝わるように、できる範囲は自分で」(國重さん)と顧客名簿も管理。「英漢字」の新しさと来場客と気さくに話すその人柄も手伝い、人気を集め、現在は国内外で個展を開くなど、幅広い活動を展開している。
会場には、「SAMURAi+侍」「hurry up+急げ」「peAce+和」「Soul+魂」「heart+心」など、フレームや紙にもこだわった作品約40点を展示。「洋」も「和」も感じられる斬新な発想から生まれた作品に来場者も興味津々の様子。
初の個展開催から今年で5年。「単純に日本に生まれ、日本が好き。『日本』の文化の枠にとらわれ過ぎず、国際色を混ぜて新しいものを作っていきたいが、日本のオリエンタルな部分を残していきたい。日本の良い点も悪い点も受け入れて日本人らしく、表現していきたい」(國重さん)と話す。
開催時間は10時~20時(最終日は17時閉場)。入場無料。8月26日まで。
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