■多彩なゲストが魅力

昨年12月より、ブックカフェ「ソリッド・アンド・リキッド天神」で始まったトークイベント「コトバナ」。イベントを主催するのは、九州の魅力を発信しているウェブマガジン「アナバナ」編集部だ。

同サイトは2012年に開設され、「九州のワクワクを掘り起こす活動型ウェブマガジン」をコンセプトにイベント企画などを盛り込んだ情報発信を展開している。同マガジンのテーマ「活動型」の一環として、「地域の魅力的なコトやモノ、ライフスタイルを参加者と一緒に考える場になれば」（同マガジンを運営するダイスプロジェクトの白石洋一さん＝写真左）とコトバナを企画したという。

毎月第2・第4金曜、福岡で「おもしろいことや新しいライフスタイルを実践している人」をゲストに迎えている。今までゲストに迎えたのは、東日本大震災をきっかけに自給自足の生活を行う「いとしまシェアハウス」を運営する畠山千春さん、福岡県出身の料理家・井口和泉さん、福祉施設「工房まる」代表理事の樋口龍二さん、写真店「アルバス」店長・山下真理子さんなど約15人。食、福祉、写真、編集、住居…福岡の各方面で活躍するバラエティーに富んだゲストが名を連ね、それぞれの「仕事」について、その人の考え方などを紹介する。

■明日の目標に

「福岡にも面白い人や魅力的な人がたくさんいるので紹介したい」と白石さん。イベントが浸透してきた3回目以降からは続々と来場客も増えた。「特別な有名人ではない。身近な目標にできる、自分の半歩先のような人の話が聞けるのが人気の秘密では」。

客層は20～50代と幅広く、仕事帰りのビジネスマンも多い。「いろいろな人の話を聞いて、人が元気になり、良い仕事とモノ作りをすることで結果的に街が元気になる。そうして街を元気にすることが目標」とアナバナ編集長の曽我由香里さん。「私たちが企画したコトバナが、『明日から何かやってみようかな』と思うきっかけ作りになれば」と笑顔を見せる。

取材・文／編集部　秋吉真由美