■女子会でまちづくり
ワイン片手に楽しげな女性たち。一見、普通の「女子会」風景だが聞こえてくる会話は「福岡の街」への厳しくも愛のある意見。女性目線で福岡市
のまちづくりを考えようと
3月に発足した会「F♡P(エフ・ラブ・ピー)」の一場面だ。
メンバーは、商業施設の営業担当、美容部員、料理研究家、弁護士など福岡市内で働く
30~40代の女性約40人で構成する。主催は資産運用会社「福岡リアルティ」で、会の名称は「F♡P(エフ・ラブ・ピー)」。3月中旬に開かれた第1回目の会合で参加者自らが名付けた。「F」は「Fukuoka」「Female」「Fun」…、「P」は「People」「Peace」「Power」など、それぞれに複数の意味を持たせ、福岡の街や福岡で暮らす女性の無限の可能性を表すという。
「ネクタイ族でおしゃれな街づくりは難しい」――市内で開かれている、さまざまなまちづくりの会合に参加している山崎一樹副市長の「女性ならではの意見を聞きたい」という提案から生まれた。
■キーワードは「おしゃれ」「かわいい」
「予算や事業を考えるときにも男性ばかり。その中でファッションやおしゃれ感を議論するのには無理がある」と副市長。「福岡は男性にとっては機
能的な街かもしれないが、おしゃれ感を追及するには女性の話を聞いた方が良い」と話す。
5月
17日に開かれた2回目の会合では参加者も大幅に増え、規模も拡大。副市長が京都市の副市長時代の経験を交え、男性目線から女性目線のまちづくりについてプレゼンテーション。「おしゃれ」「かわいい」をキーワードに、まちづくりを見直してほしいと呼び掛けた後、ランダムにグループ分けされた参加者が食事を楽しみながらディスカッションをする。女性だけの場ともあり、終始カジュアルな雰囲気で行われた。
発表では「大人の女性が楽しめる場がない」「女性の興味や目的で作るポータルサイトがほしい」「女性好みの屋台作り」「子育て世代が遊べる場所が少ない」などさまざまな意見が飛び交う。参加した商業施設広報担当者は「異業種の方と知り合いになれて楽しい。弁護士や経営者などの異なる視点や、それぞれの経験を生かした意見が聞ける。まちづくりの提案以外にも自分のキャリアや生き方にも生かせる良い機会なのでは」と話す。
■活発な福岡女性に期待
「いろいろなアイデアが生まれている。この場が縁となり、提案されたイベントや取り組みを具体化していければ」と副市長。「男性とは違う視点で新鮮」と期待を寄せる。
「男性が多い会では、やはり女性は聞き役になってしまうことも。女性だけの場だと自由に話している印象」と福岡リアルティの岩崎理恵さん。「今後は天神、博多、ウォーターフロントなどエリアに分けての討論も予定している」という。11月までに全5回の開催を予定し、年内をめどに市への具体的な提言を目指す。
副市長は「京都市をはじめ、いろんな都市に行ったが、福岡は歩いていて楽しい街。長所を伸ばしていくため、活発な福岡女性の力に期待したい」と話す。
取材・文/編集部 秋吉真由美