数々のドラマチックなKO劇で注目を浴び、「平成のKOキング」の異名を持つ元プロボクサー、坂本博之さんの引退記念イベントが7月28日、福岡国際ホール・大ホール(福岡市中央区天神1)で行われる。
同イベントは、坂本さんが少年時代に過ごした児童養護施設「和白青松園」(東区)の園生の呼びかけで企画されたもので、同園の子どもたちが作ったリング上での「テンカウント引退セレモニー」、トークライブなどがビュッフェスタイルで行われる。
福岡県田川郡出身の坂本さんは、家庭の事情により同施設で少年時代を過ごし、そこでボクシングの試合をテレビで見てプロボクサーになる夢を抱いたという。1991年にプロデビューし、世界王座に4度挑戦したが、いずれも失敗。結局一度も世界チャンピオンにはならなかったものの、愚直なまでのファイティングスタイルで多くのファンを魅了した。特に2000年の畑山隆則選手とのWBAライト級タイトルマッチはボクシングファンにいまだに語り継がれている。その後、ドクターストップにより今年の1月に東京・後楽園ホールで引退したが、「引退試合を地元で開催したい」との以前からの希望もあり、地元の有志や市民団体によって今回、同イベントが開催されることになった。「エキシビジョンマッチ」として坂本選手を育て上げた「筑豊ジム」から丸山選手を対戦相手に、坂本選手との最初で最後の試合を1ラウンドのみ行う予定。
坂本さんは、自身の生き方を元にした講演活動を各地で展開。今回も「生きる」をテーマにしたトークライブを開催、ゲストに福岡市出身の元プロボクサー、越本隆志さんや福岡県在住の競艇選手、日高逸子さんを迎える予定。
料金は、前売り=10,000円(食事代・サイン本プレゼント含む)。開場は17時で、開催時間は17時30分~19時30分。収益金の一部は坂本さんが設立した児童養護施設を支援する「こころの青空基金」に寄付される。問合せは西日本新聞社出版部(TEL 092-711-5523)まで。