福岡の夏の和菓子「博多水無月(みなづき)」が現在、福岡市およびその近郊の和菓子店で販売されている。
「もなかの種」「御菓子司 山月堂」「鮹松月(たこしょうげつ)」「和菓子処 泉屋」の博多水無月
旧暦の6月と同じ名の「水無月」は、三角形でういろうの上に小豆をのせた和菓子。昔は、夏を越すことは一大事とされ、年の半分の6月30日の夏越祓(はら)いに水無月を食べて邪気を払う習慣があり、今も各地で続いている。
「博多水無月」はこの伝統文化を基に福岡市和菓子組合の会員一同により、街になじむ季節菓子を作ろうと1999(平成11)年に始まった。「福博の100年後のスタンダード」を目標とする。博多水無月は小豆とわらび粉を主原料にし、ササで巻くという決め事の下、各和菓子店がそれぞれの博多水無月を作り販売する。
今年の博多水無月のテーマは「笑う門には福来たる」。和菓子職人が思考と技術で、それぞれの博多水無月を仕上げる。販売は「富貴(ふうき)」(春日市伯玄町2)、「花月堂寿永」(福岡市中央区春吉2)、「左衛門」(天神2)、「御菓子司 梅家」(筑紫野市二日市中央4)、「今田和菓子舗」(博多区吉塚本町1)など、福岡市およびその近郊の和菓子店20社・32店舗で行う。
このほか、各和菓子店の博多水無月が一堂に集まる共同催事を、6月1日~7日に福岡三越(天神2)で開催、6月23日~30日に博多阪急(博多駅中央街)で開催する。
福岡市和菓子組合の理事長を務める和菓子店「富貴」の社長・松本弘樹さんは「こんな時代だからこそ、1人で、また家族で、季節の和菓子を食べながらホッとする時間を提案できれば。甘いものを口にして笑顔になっていただけたら」と思いを語る。
各和菓子店での「博多水無月」の販売は7月31日まで。