新企画展「第1回ホワイトウォールプロジェクト 田中千智展 地平線と道」が1月5日、福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園1)で始まった。
福岡市美術館が2019(平成31)年、リニューアルした際に作られた2階の幅13メートルの白い壁面「ホワイトウォール」を舞台とする企画展。今後は3年に1回、アーティスト1組に同壁面を用いた新作を依頼。併せて、隣接する展示室で依頼したアーティストの個展を開催する。
初めての開催となる今回は、福岡市在住の画家・田中千智さんに制作を依頼した。田中さんは1980(昭和55)年生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業後、2006(平成18)年から福岡を拠点に作家活動を始めた。アクリル絵具を使った漆黒の背景に油彩の前景で、人物、動物をモチーフに心の中の風景を描く。福岡や東京で個展を開催したのをはじめ、書籍の装丁画、ボトルのラベル画、小学館新本社ビルの壁画制作なども手がけている。
「ホワイトウォール」を使う今回の壁画は、田中さんの希望から段階的に完成する。1月5日に制作が始まり今月末には第1段階が完成する予定。来年1月に第2段階が、2025年1月には第3段階も、それぞれ完成。田中さんが手を加えることで変化していくという。壁画は制作期間中も公開。壁画が出来上がっていく様子を見てもらう。展示予定は2025年12月末まで。
併せて開く田中さんの個展は、「ホワイトウォール」に隣接する2階コレクション展示室近現代美術室Bで開く。田中さんが現在の作風で制作を始めたという2008(平成20)年から最新までの絵画作品約40点を展示する。
田中さんは「昔の作品と今の作品では、描き方や雰囲気が変わってきている。順に見ながら作品の違いなど楽しんでもらえたら」と話す。
同企画展の観覧料は、一般=200円、高・大学生=150円、中学生以下=無料。3月21日まで。
同美術館の開館時間は9時30分~17時30分(入館は閉館30分前まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。