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王妃の別荘や書斎がテーマ
天神地下街、「豪華すぎる」トイレが話題

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■王妃の別荘に書斎、高級ブティックも?

一瞬、「ここはトイレ?」と入るのをためらってしまうような華やかな入り口。東2番街のトイレは、「イギリス女流小説家の書斎」がテーマだ。入り口は、積み上げられた洋書を再現したデザインが出迎えてくれる。

「以前はお世辞にもきれいとは言えないトイレでした…(笑)」とトイレの改装を担当した福岡地下街開発の管理部主任・宮﨑優さん。過去に2回実施した改修工事では、利用者も多く公共的な使い方をする施設柄、機能性と耐久性を重視したものだったという。「開業40周年、トイレの老朽化も重なり、お客様への40年間の御礼と感謝の気持ちを込めて思い切ったデザインを採用した」と明かす。

10番街女性専用トイレは、「フランス王妃の別荘」がテーマ。カラフルな花を施したパウダーコーナーや多目的トイレも設けた。西6番街トイレのイメージは、「フランスの高級ブティック」。ショーウィンドーはもちろん、“ブティック”店内には大きな鏡と手に取りたくなる帽子型の照明が胸弾む。

7月に完成したばかりの西12番街トイレのイメージは、「エーゲ海に浮かぶ小さな家」。白を基調とした内装で、授乳室や多目的トイレのほかに休憩スペースも設け、落ち着く雰囲気を提供している。

■天神に来るきっかけの一つに

2013年にパウダールームや女性トイレの個室を拡張して改装したソラリアプラザを筆頭に、2014年に開業した福岡パルコ新館は若手作家の作品を展示しているアートトイレを設置。福岡三越は新装した地下1階フロアに内装にこだわった女性専用トイレを設けた。このように周辺施設にも利便性はもちろん、デザインを追及したトイレが続々と登場している。

「商業施設のトイレがきれいなのは今や当たり前」と宮﨑さん。「天神地下街はその流れに取り残されている感があったが、今回の改装で気に入っていただけるのでは」。パウダーコーナーでは荷物を置くスペースを設け、時間に合わせて照明が暗くなる演出なども盛り込んだ。また、各トイレには点字案内付触知板や4カ国語表記も設けた。

「トイレットペーパーの減り具合によると利用者数は前年比2割増。SNSでの反応も良く、外国人観光客が入り口で記念撮影する姿もあった」と宮﨑さん。「豪華なトイレが天神に来る動機の一つになり、結果的に集客につながれば」と期待を寄せる。

取材・文/編集部 秋吉真由美

写真/天神地下街提供 ブリッツスタジオ 石井紀久

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