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福岡市美術館が来年3月リニューアルオープンへ エントランスやカフェを新設

大濠公園側に新設したアプローチ

大濠公園側に新設したアプローチ

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 福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園1)が11月1日、来年3月のリニューアルオープンに先立ち内覧会を実施した。

新設の1階カフェスペース

 1979(昭和54)年に開館した同施設。設計は建築家・前川國男さん。現在は改修工事のため2016年9月から休館しており、来年3月21日にリニューアルオープンする。

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 リニューアルでは、福岡市美術館の建物自体を作品の一つとして考え、前川建築の意匠を継承し、改修を行ったという。施設・設備の老朽化を解消し、建物の魅力を向上してより開かれた施設として「つなぐ、ひろがる美術館」を目指す。リニューアルにかかる総工費は約55億円。

 エントランスはこれまでの南口と北口に加え、大濠公園側に大きく開けた新アプローチを設けた。1階にはカフェも新設する。カフェの運営は2階のレストランとともにニューオータニ九州が行う。ミュージアムショップは2階から1階に移設。新アプローチから入館した客が立ち寄りやすい場所にする。

 展示スペースは拡張し機能の充実を図る。展示室の照明を全館LED化し、色調が変えられるLED照明や工芸品を照らす小型LED照明を導入するほか、透過性の高い展示ケースも採用した。古美術のコレクション展示室にある、仏像を展示する「東光院仏教美術室」は、入り口を寺院の山門をイメージ。展示室中央には薬師如来立像を配置して、まわりに十二神将を配置し展示するなど、重要文化財の仏像群を360度から観覧できるよう工夫を施す。近現代美術のコレクション展示室は、展示するスペースを拡充し、ABCの異なる仕様とし多様な作品を鑑賞できる空間を演出。「近現代美術室C」では床・壁面の色調を白く刷新し、展示環境を明るくした。

 キッズスペースは移転・新設する。デザイン・制作は久留米市の作家・オーギカナエさんによるもの。奥には授乳室も備える。そのほかアートスタジオやレクチャールームも設ける。ユニバーサル化として、多目的トイレの設置や、階段の手すりの追加などを行う。

 情報コーナーも新設し、約16000点の所蔵品の全てを検索できるパソコンを設置。タッチパネルディスプレーのデジタルルーペを使って、作品の細部や技法、見どころを鑑賞するシステム「みどころルーペ」も用意する。建築当時の美術館の模型や、開館時から使っていた椅子などを配置する「前川國男メモリアルスペース」も設ける。

 そのほか、大濠公園と同美術館の建物をイメージしたロゴ・シンボルマークも完成した。

 副館長の中山喜一朗さんは「つなぐひろがる美術館を目指して、これからも福岡のミュージアムのフラッグシップとして活躍していかなければいけない。より多くの人に集まっていただき、より多くの人と美術を結びつけていく」と話す。美術作品の展示だけでなく、教育普及活動を通しての美術体験やカフェ・ショップなどのプラスアルファの楽しみなどにも力を入れるという。「うち実はすごく良いコレクションがある。地道にうちの実力を知っていただくのが、つなぐひろがるための第一歩」と、意気込む。

 今月から館外に保管していた美術品の輸送・搬入を行い、来年1月から各室展示作業の予定。