企画展「オチ・オサム展」が現在、福岡市美術館(福岡市中央区大濠公園)近現代美術室A・Bで開催されている。
オチ・オサムさんは佐賀県出身で、福岡を拠点とする前衛美術グループ「九州派」のメンバーとして活動した。2015(平成27)年逝去、享年79歳。同展は、オチさんの家族の協力の下、年表や資料によりオチさんの活動をたどり、1970年代以降の作品を中心に九州派時代から晩年までの絵画やオブジェ作品や資料、約180点を展示する。オチさんの回顧展の開催は、同館初めての試みという。学芸員の忠あゆみさんは「オチさんは、九州派以外の活動も多彩。1970年代以降の作品をもっと知ってもらいたいと企画した」と話す。
会場は「オチオサム、風の中をいく 1936-2015」「総てのモノが色になりますョ-オチ・オサムの絵画」「日常へと下降する-オチのオブジェ制作」「地平線から宇宙空間へ-球体シリーズへの展開」「殺気を思い出し 空白を埋める-晩年の作品群」の5章から成る。
忠さんは「オチさんの代名詞にもなった、ライフワークともいえる球体シリーズの作品を、今回のように多く展示することは珍しい。緻密で吸い込まれてしまいそうな作品を、生で間近で見てもらい、作品の世界に浸ってもらえれば」と話す。
開催時間は9時30分~17時30分(入館は閉館30分前まで)。月曜休館(祝日の場合は翌日)。観覧料は、一般=200円、高校・大学生=150円、中学生以下無料。3月24日まで。