■We Love東北
福岡三越ライオン広場や警固神社では
3月2日~4日、東日本大震災の被災地支援イベント「笑顔と元気 We Love東北in天神」が開催された。
まちづくり団体のWe Love天神協議会や西日本新聞社、ラブエムエム国際放送、「がんばろう日本」福岡・九州推進協議会事務局の主催で、収益を被災地支援に充てる東北の物産市や「きりたんぽ鍋」「いも煮」「いもっこ汁」などを用意する「東北元気鍋」のチャリティー販売などが行われた。
オープニングセレモニーに出席した福島県のいわき湯本温泉「新つた」の女将・若松佐代子さんは「こんな機会を設けていただき、本当に感謝」とあいさつ。「ぜひ、福島に遊びにきてください。笑顔でお待ちしております」と来場者に呼びかけていた。
「福岡の方が東北の魅力を知るきっかけになれば」と話すのは、
同イベントを担当した
We Love天神協議会事務局の鴫山一機次長。「単発のイベントで支援活動を終わらせたくない」と継続する企画も用意した。
天神から福島へフラガールを派遣しようというキャンペーン「フラde東北に行こう!」を企画。8月に福島県いわき市で開かれる全国の高校生が競う「フラガールズ甲子園」に「天神の元気=天神のフラガールズを届けよう」と企画されたもので、同協議会らでキャンペーンの実行委員会を発足し、学校にも呼び掛け、出場女子高生を募集。「実際に行ってみてほしい」と前夜祭にも参加できるツアーなども組み、進行中だ。今後も「天神と東北がつながるイベントを継続していきたい」(鴫山さん)という。
■天神の笑顔、東北へ届け
イムズ(天神
1)では4月3日より、被災地と天神をはじめ、世界で撮影された子どもたちの笑顔をプリントした傘を使ったインスタレーションが展開される。
グラフィックデザイナーの水谷孝次さんが「
MERRY(楽しい、幸せ)」を届けようと1999年より始めたプロジェクト「MERRY PROJECT(メリープロジェクト)の一環で、水谷さんはこれまで世界26カ国・地域で3万人以上の笑顔を撮影してきた。被災地では支援活動に加えて、避難所を回り、500人以上を撮影したという。
3月上旬にイムズ前で行われた撮影会では、「アジアの玄関口である福岡。単なる地方都市ではないアジアの元気が感じられた」と水谷さん。「この可能性あふれる笑顔を東北へ届けたい」と話す。
■41人が撮った3分11秒
西鉄ホール(天神
2)では4月6日~8日、映画監督や作家らが「明日」をテーマに制作した3分11秒の短編映画「311仙台短編映画祭映画制作プロジェクト作品『明日』」が上映される。
仙台短編映画祭実行委員会が映画監督や作家、関係者らに映画制作を依頼し、震災から1カ月後の昨年4月10日から始まったプロジェクトで、被災地からの映画発信を目指して制作された。制作には41人の作家らが参加。それぞれが思う「明日」を3分11秒で表現している。
「2011年3月11日以降、映画監督たちが何を感じたのか、『明日』というテーマをどうとらえたのかを感じてほしい」と同ホール担当の永島亜実さん。「映画というフィルターを通して、今後どう生きていくのかということを見つめ直すきっかけになれば、という願いをこめて上映したい」という。
――被災した店舗を閉め、福岡に出店した牛タン専門店は行列ができるほど大繁盛だという。以前、福岡を訪れた際に「九州の人の人情に感激した」ことから福岡への出店を決めたという店主。「食べに来ることで支援になればと来店されるお客様もいて本当に感謝です」と笑顔を見せてくれた。その笑顔と、前出の「笑顔で待っています」と話す女将の優しい笑顔に力強さを感じた。
取材・文/編集部 秋吉真由美