特集

天神の未来は「天女」が担う!?
天神の女子、略して「天女」プロジェクトが始動

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■女性目線で見る「天神」

市内商業施設や観光案内所のインフォメーション担当者や販売員らを対象に、来街者に対するレベルの高いおもてなし力を学ぶための「天神おもてなし学校」が今年2月に開講した。主催はWe Love天神協議会。福岡在住の外国人向けフリーペーパー「フクオカ・ナウ」のニック・サーズ社長やJTB地域活性化事業推進室の山下真輝室長らが講師を務め、毎月開催されている。


6月19日に行われた第4回「天神おもてなし学校」では、福岡アジア都市研究所の山下永子さんが「ストレスを感じさせないおもてなし力」をテーマにワークショップを実施。ソラリアプラザやイムズなどの商業施設の従業員ら約40人が参加した。


参加者は5~6人のグループに分かれ、天神エリアの「きれい」「かわいい」「気持ちいい」「面白い」「おいしい」「嫌」な部分について、女性の個人的な目線でピックアップし、天神エリアのマップに6種類に色分けしたシールを貼り付けていく。結果、「きれい」は商業施設、百貨店が並ぶ中心部に集中し、「気持ちいい」は公園、パサージュ広場やジュンク堂横のカフェストリートなどが挙げられる中、西通りエリアには「嫌」な意見を示すシールが目立った。「西通りがとても危険。考えてみれば、オープンカフェもないし、空き店舗も増えている。今は、今泉周辺の回遊が高いようで、西通りが第2の親富孝通りになりかねないのでは」と指摘する。


今回の参加者は大半が女性だ。講師の山下さんは、この「女性目線」が今後の街づくりのカギになると断言している。


山下さんが所属する福岡アジア都市研究所では昨年12月、「福岡は美人が多い」ことを証明するデータを発表した。美容室、ネイルサロン、エステティックサロンなど福岡にあるサロンの数を横浜市、神戸市と比較すると、美容室、ネイルサロン、エステティックサロンともに女性10万人あたりの店舗数は福岡がすべて2都市を上回るという結果が出た。また、福岡女性の支出内容調査では、コスメ、婦人服など美容に関する項目の数値も2都市を上回り、さらに全国平均値を超える数値をたたき出した。福岡の女性がいかに「美」に関心が高いかが証明された。


この調査結果発表後、「地元メディアをはじめ、各方面からの反響が予想以上だった」と山下さん。「女性がきれいな街・福岡」が証明されたこのデータを武器に一歩先行く街づくりが期待できる、と女性目線の街づくりを呼びかけている真っ最中だ。「女性に優しい街づくりは、弱者にも優しい。子ども、お年寄りの目線にも立て、細かい気配りができる女性が先頭に立てば、すべての人に優しい街づくりができる」。そうして「天神の女子=天女(てんじょ)」パワーを集めたプロジェクトが始動した。


「天神の女子」略して「天女(てんじょ)」とは?――「天神おもてなし学校」の事務局メンバーをはじめ、天神で働く「天女」と「天神の男子」略して「天男(てんだん)」に集まってもらい座談会を開いた。



■天女代表VS天男代表 座談会

 参加していただいたのは、(写真左より)事務局メンバー・イムズ営業部マネージャー・仲野照美さん、ソラリアプラザインフォメーション担当・伊藤優子さん、天神エフエム営業企画本部・三好剛平さん、事務局メンバー・天神経済新聞編集長・森田美代子、アジア都市研究所・山下永子さんの5人。


――まず、福岡美人についての感想を。
山下さん(以下、山) テレビ、新聞…面白い視点だとあらゆるメディアが興味を持ってくれました。女性が主に反応していますが、男性の反応もまずまず。ブログでは、やっぱり自分が思っていたことが証明されたーと書いていた人もいて、納得してくれたみたいですね。
三好さん(以下、三) もちろん。やっぱりねという印象。福岡は美人が多いという話は定説みたいなもので、ラジオにゲストで来たアーティストは絶対「福岡は女の子が可愛い」と言われます。僕自身、他県から福岡に戻ったときも「あ、可愛いなぁ」と思いますし。そしておしゃれでもある。はずれのファッションをしてないんですよね。
 そう、皆そこそこのおしゃれ感がある。
仲野さん(以下、仲) きれいな人は、福岡でも天神エリアに集中しているような気がしますね。


――では、皆さんが感じる福岡の女性「天女」の特徴とは?
伊藤さん(以下、伊) インフォメーションにいて日々感じるのは、福岡は明るい人が多いことです。あの人暗いなーって人がいない(笑)
 あっそうかも。天神を歩いている人を見ても。
 また、買い物をしてると感じますが、販売員の接客も上手いんですよね。
 うんうん、接客レベルも高い。基本、元気な女性が多いですね
 それは、約20年前の天神流通戦争に通じると思います。ソラリアプラザ、イムズも誕生し、商業施設が増えた。販売員を始めとする「美」に関わる仕事をする女性の数が増えたということでしょう。
 その後、地下街も延びたし、ヴィオロもできた。確かにきれいな人が増えるはずですね。
 また、ビジネスの上で感じることですが、福岡の女性は操り上手だなーって。一歩引いてくれていて一見、男は自分が指図しているように感じてますが、よくよく考えてみると、アレ?アレレ?って言う…(笑)後ろでこういうのを(操り人形を動かす動作をしてみせ)感じます(笑)
一同 爆笑
 でも、言い方を変えればすごく良い女の証拠ですよね。だから男子は甘えるのでは?
森田(以下、森) 確かに。九州男児とか言われていても、後ろから付いていく女性がしっかりしている。
 また、福岡の女性は薄っぺらくなく、頑張っている人が多い。それで顔もイキイキしているのかも。食べ物もおいしいし、食べて飲んで行動も広く、フットワークも軽い。単純にきれいだけじゃない点も特徴。
 フットワークの軽さは日々感じます。午前中に放送されている地元のテレビ番組で取り上げたショップをその日のうちに訪ねられることもしばしば。「さっき見たんだけど」と私たちでも把握できていない情報を持って来られます。
 テレビを置いておかないと…(笑)
 若い世代のみならず、50代、60代の方のパワーもすごいですね。
 流行好きでもあるんでしょう。他人を信じやすい?人を疑わず、「よか」と聞いたら「よか!キャー!」とフットワーク軽く飛びつくところは福岡の女性ならでは(笑)
 テレビで見て、すぐ来られるという街のコンパクトさも一理ありますね。
 そう!アクセスの良さがいい点も大きい。テストマーケティングにぴったりの土地でもありますし。


――天女パワー恐るべし…
 天男やばいなー。大丈夫かな(笑)
 天男も頑張ってもらわないと(笑)
 (恐る恐る…)天神男子は天女側から見ると、物足りないですか?
一同 …
 日本男児よ、婚活するなら福岡に行け!?(笑)
 そうなったら、本当に福岡の男子やばいな…
 天男も自分磨きにかからないと(笑)
 天男は男磨きの意識があるのだろうか…
 福岡美人の調査では、福岡の女性は比較的通勤時間が短く、その時間も習い事や美容に充てられることも福岡美人率の高さに関係するのではと山下さんが言われてましたが、一方、男子はその時間をどのように活用しているんでしょう?
 残業ですかね…それか、飲みに行っているかな。
 女性は20時に閉店であっても19時45分に仕事が終われば、残り15分で駆け込むくらいの買い物好き。男子もおしゃれのために買い物して飲みに行ってほしいな。日々の残業で平日に買い物できない男性のための「天男ナイト」として商業施設の営業時間を30分延長してもいいかも。
 確かに、天神は男性の遊び場にはなっていないような気がしますね。
 天神で働く男子が天神で洋服を買うようになれば…。女性だけでなく、男性のマーケットも刺激すれば大きな効果が期待できそう。
 天神で働く男子が休みにも天神に来たがるかといえば、そんなことはなくて。男性は仕事チャンネルと休みチャンネルを使い分けたがるのかも。
 飲みにいくパワーはあるのにね(笑)
 月1回、インフォメーションガールが付き添い、天男を変えるショッピング企画とかあっても面白そう。「天男のファッションセンスを磨きます」みたいな(笑)
 福岡は美人がたくさんいるので、男性が努力しないという一説もあるらしいです、実は。本当に福岡は、途方に暮れるくらいかわいい子多いですからね。
 相乗効果となれば、美男美女の街になりそうですけどね。
 天神パークサイドスタジオ(天神エフエム)で訴えないと(笑)


――「天女」パワーの目指すところは?
 海外からの旅行者、特に上海や北京の人は日本に「気持ちいい」ことを求めています。ゆっくり、最上のサービスを得たいと。それで福岡の女性が挙げる個人目線のきれい、かわいい、おいしいなどをピックアップし、ブランディングした「きれいな街・福岡」を売りに、博多駅が完成する2011年を目途に中国人のインバウンドにつなげたいと思っています。博多エリアと差別化して女性目線で作り上げた「天神」が上質な街になれば。今後も6つの視点で引き続き、データを集めていこうと思います。まずはヒールが引っかからない街づくりから!女性がおしゃれを楽しんでヒールを履いているわけだから、ハード面にも女性の目線を取り入れると街は変わる。天神をヒールフリーの街へ。本当に靴好きの私は、ヒールが引っかかる小さな溝でねんざするほど困っていますから。
 そして、女性目線での天神はもちろん、博多も。福岡全体を盛り上げていけたらいいですね。


■「天女」が福岡の未来を担う!?

今年1月、エリア特集として当サイトでも取り上げた「福岡美人」。その反響はなんと、日々更新しているヘッドラインニュースを差し置いて、特集記事では異例の天神経済新聞2009年上半期PV(ページビュー)ランキングで断トツの1位に輝くほど。皆が気になっていた内容だったのか、周囲からはこんな声が多い。「そうかなーとは思ってたけど、やっぱりね」――福岡美人率の高さがデータで証明された今、「福岡美人」ブランドが全国区、観光客が多いアジアにも広がり、街の活性化へつながることに期待したい。


天神の未来は「天女」が担う!?やっぱり、自分磨きに余念がない福岡の元気な女性が引っ張っていくことになるのだろうか…天神の男子!がんばれ!!




文・写真/編集部 秋吉真由美

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