特集

ホークス、地元学生とコラボも
障害者施設の商品を身近に―「ときめきプロジェクト」

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■商品を身近なものに

障害者施設の商品をより身近なものにすることを目指して生まれた「ときめきプロジェクト」。広く商品をPRし、売り上げを伸ばすことで障害者の工賃アップを図るのが主な狙いだ。年に1回のペースで各施設の商品を集めたコンクール「ときめきセレクション」、一般企業を招いての「ときめき商談会」などを行っている。


イムズ(福岡市中央区天神1)では毎年、福岡を拠点に活動している施設のアート作品を集めた「ときめきアート展」が開催。工房まる(南区野間3)、kara(西区上山門3)、アトリエブラヴォ(博多区東月隈3)などのメンバーの作品を展示しているほか、館内テナントのスタッフが選んだ作品にコメントを付けて紹介しているコーナーも設け、来場者を楽しませている。


「とても感性が豊かなものばかり」と話すのは福岡市保健福祉局・障害者在宅支援課の中村圭子さん。各施設ではアート作品のほか、雑貨や食品なども幅広く生産しており、「価格も手ごろで魅力的な商品がたくさんある」という。その良さを生かし、同プロジェクトでは昨年より、地元企業とのコラボレーションによる商品企画も活発に行っている。


■地元の企業とコラボ

施設同士や地元企業と一緒に商品開発を手掛ける活動「ときめきクラブ」がその一つ。昨年12月には、専門学校九州デザイナー学院のビジュアルデザイン学科の学生がデザインしたギフトボックスに、4施設の菓子を入れてセットにした「TOKIMEKI BOX(トキメキボックス)」を、西鉄薬院駅の「ときめきショップ ありがた屋」、マリノアシティ内の「九州のムラ市場」で販売した。


2月には老舗和菓子店「如水庵」(博多区博多駅前1)と11の施設が共同で制作するオリジナル焼き菓子「はかたサブレ はつこい」を販売する。「複数の施設が同じ商品を作ることができれば、企業や店からの大量注文にも対応できる」と話すのは社会福祉法人「明日へ向かって」の末松忠弘さん。今回は初の取り組みのため、オリジナル商品を開発したが、「将来的には菓子メーカーから下請け作業の受注にも応えられるようにしたい」という。公募で手を挙げた11施設が生産に取り組んでいるが、「各施設で使用する調理器具が違うため、焼きあがりなどに差があり、調整に苦労した」と末松さん。試行錯誤を繰り返し、会議を重ね、1年かけて商品を完成させた。


■イラストが応援グッズに

昨年、8年ぶりの日本一に返り咲いた福岡ソフトバンクホークスとのコラボレーションも進行中だ。スタンドでの応援には欠かせない応援グッズに障害者アーティストのアート作品を使用するもので、各施設に呼びかけたところ、約300点の作品が集まった。


「発想や着眼点に驚く」と福岡ソフトバンクホークスMD企画部次長の菊池隆昭さん。「野球に関係ないものや、あるモチーフの一部を切り取ってデザインしたものなど、自由な発想には光るものがある」という。


現在、採用する作品は決定し、使用するアイテムを検討している段階。3月のシーズン開幕に合わせて発売する予定だ。「好評であれば第2弾、第3弾と続けたい」と期待を寄せる。


――「買ってもらう商品ではなく、欲しいと思う商品がたくさんある」と中村さん。その才能を最大に生かそうと地元企業が立ち上がり、新しい商品が生まれる。中村さんは「今後もいろいろな分野とコラボレーションし、商品をより一層身近な存在にしていきたい」と意気込みを見せる。




取材・文/編集部 秋吉真由美





ときめきプレス

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