■旬のフランスを一堂に
1993年に横浜で始まり、
2006年からは東京、大阪で開催されてきた「フランス映画祭」。福岡でもフランス映画を広く知ってもらおうと九州日仏学館(現・アンスティチュ・フランセ九州、福岡市中央区大名2)、LOVEFM(今泉1)らの主催で昨年初めて実施。今年で2回目を迎える。
今年は6月29日~7月5日、KBCシネマ1・2(那の津1)と西鉄ホール(天神2)の2会場で開催。アンスティチュ・フランセ日本を始め、フランス映画の普及・振興を目的にプロモーション活動を展開する文化機関「ユニフランス・フィルムズ」、KBCシネマ1・2、LOVEFMが主催する。
「コメディーやアニメ、短編などバラエティーに富んだフランス映画が集まった」とアンスティチュ・フランセ日本のフランシーヌ・メウール館長。「旬のフランス映画を楽しんでいただけるのでは」と話す。
■館長おすすめの作品は?
○「アナタの子供」(2012年)
「ピストルと少年」「ポネット」のジャック・ドワイヨン監督の最新作。愛娘のルー・ドワイヨン主演のラブコメディー。オープニング作品。
○「恋のときめき乱気流」(2012年)
結婚を控えた女性・ジュリー。
3年前に恋をした、忘れたい男とニューヨークからパリに戻る飛行機で再会するが…。エッフェル塔やオルセー美術館など、劇中にはパリの名所も。
○「森に生きる少年~カラスの日~」(2012年)
人間界との交わりを絶ち、森の奥深くに住む少年。ケガをした父親を病院に運ぶために街へ出るが…。「レオン」のジャン・レノが声優を務めるアニメーション。
○「わたしはロランス」(2012年)
「女になりたい」と打ち明ける教師ロランスと恋人のフレッド。カナダを舞台に
10年に渡る愛を描くラブストーリー。1989年、カナダ生まれのグザヴィエ・ドラン監督が手掛けた。「唯一、カナダを舞台にした作品。福岡在住のカナダの方にも楽しんでいただけるのでは」と館長。
○「ローラ」(1961年)
港町ナントを舞台に青年ローランと幼なじみで
10年ぶりに再会したローラの恋物語を描く。「シェルブールの雨傘」で知られるジャック・ドゥミ監督の長編処女作。2012年のデジタル復刻版で上映する。
そのほかにも、フィクションやドキュメンタリーを集めた短編作品集、「映画に愛をこめてアメリカの夜」のナタリー・バイ特集、ジャック・ドワイヨン監督を迎えるトークイベントも予定する。
■福岡に根付いた映画祭に
「今年は、
KBCシネマ1・2と西鉄ホールの2会場が天神に集中しているため、回遊性も見込める」と館長。「上映時間も1日で2作品見られるように組んでいる。はしごして楽しんでほしい」という。
「フランス映画は難しい、敷居が高いという声もある。でも、まず見て、フランス映画の多様性を感じてほしい。建築、景色、食文化、パリの生活の様子も垣間見られる、まさに『フランスを旅する映画祭』」と笑顔を見せる。
「鑑賞後は語り合う場を」と大名や天神のカフェにも協力を仰ぎ、オフ会やアフターパーティーも企画した。「フランス映画好き同士、おしゃべりして」。そのほか、半券の提示で割り引くサービスなども行う。
「フランス映画と日本映画の交流の場にもなれるような、より大きな映画祭を目指したい。福岡に根付いた重要なイベントの一つになっていけるよう、頑張りたい」と意気込みを見せる。
取材・文/編集部 秋吉真由美
© 2012 CinéTamaris-Fondation Groupama Gan-Fondation Technicolor
© finalement 2012
© DR
© uniFrance