手のひらサイズの本「豆本」を集めた企画展「ひと箱豆本市」が11月16日より、紺屋2023(福岡市中央区大名1)1階「Konya cafe」で開催されている。
豆本とは、主に本の長辺が3インチ(約76ミリメートル)以内の大きさの本を指し、日本では江戸時代後期から作られるようになったと言われている。戦後の豆本は「現代豆本」と呼ばれ、物資が不足している中、少ない材料で作れる理由から、昭和30年代には「豆本ブーム」も起こった。
同イベントは、本の魅力を伝えようと今月1カ月、福岡市内各所で行われている「ブックオカ」の関連イベントで、豆本の楽しさを広く伝えようと活動している「ふくまめプロジェクト」が主催する。
同プロジェクトを立ち上げた、イラストレーター・古賀涼子さんは、一昨年の1月に東京で行われた「第1回まめまつり」の新聞記事で「豆本」に出会った。イラスト集の自費出版を検討していた古賀さんが「このサイズなら低予算でできる」と、独学で豆本を製作し、翌年の「第2回まめまつり」に出展。「参加したら面白かった。福岡でも豆本イベントを開きたい」(同)とネットなどで参加者を呼びかけ、今年3月に福岡で豆本展「ふくまめ」を開催し、4日間で330人の来場者を集めた。
今回は、福岡をはじめ九州や関東で豆本を製作している20人が出展。イラストや写真、版画などジャンルはさまざまで、ドールハウスの材料を使用し細かく作り込んだものや手描きのもの、和紙を使ったものなど、作家の個性あふれる作品約500点を並べる。
「アイデアをすぐ形にできるのが豆本の良さ。どの作品も細かくて、皆さんじっくり見ていかれます」と古賀さん。20代から、戦後の豆本ブームにハマった世代まで、幅広く人気を集めているという。豆本作りを始めて「不要の包装紙や古布など捨てられなくなった。エコにもつながる」(同)とも。作品は、200円~15,000円で販売も行う。
営業時間は11時~19時(最終日は13時まで)。今月24日まで。最終日の今月24日には、警固教会(中央区警固2)で国際ミニチュアブックソサイエティーの国際豆本コンクールで日本人初のグランプリを2006年、2007年と連続受賞した豆本アーティスト・赤井都さん、豆本作家・田中栞さん、福岡市在住豆本コレクターの岩尾雄三さんによるトークショーも開く。開催時間は14時~16時。入場料は700円。問い合わせは、同プロジェクト(TEL 090-9590-2585)まで。