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西鉄とケンブリッジ・イノベーション・センターがイノベーションキャンパス検討

記者発表会でのフォトセッションの様子。(左から)「CIC Tokyo」ゼネラルマネージャーの名倉勝さん、CIC創設者兼CEOのティム・ロウさん、西日本鉄道社長の林田浩一さん、西日本鉄道常務執行役員・天神開発本部長の田川真司さん

記者発表会でのフォトセッションの様子。(左から)「CIC Tokyo」ゼネラルマネージャーの名倉勝さん、CIC創設者兼CEOのティム・ロウさん、西日本鉄道社長の林田浩一さん、西日本鉄道常務執行役員・天神開発本部長の田川真司さん

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 西日本鉄道(福岡市博多区博多駅前3)とケンブリッジ・イノベーション・センター(米国、以下CIC)が共同で、「(仮称)新福岡ビル」(中央区天神1)内に「イノベーションキャンパス」を創設するための検討に着手することを、7月27日発表した。

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 「(仮称)新福岡ビル」は、「福ビル街区建替プロジェクト」により2025年春に開業を予定する大型複合ビル。「創造交差点 meets different ideas」をコンセプトとし、地上19階、塔屋1階、地下4階建てのビルで、商業フロア、オフィスフロア、ホテルなどを設ける予定。

 1999年創業の「CIC」は、米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市に本社を構え、起業家やスタートアップの成長をサポートする施設「CICイノベーションキャンパス」の運営を行うほか、「CICイノベーション創出プログラム」などを開催している。「CICイノベーションキャンパス」は現在、世界4カ国・8都市に展開。創業以来、これまでに8000以上の企業が入居しているという。2020年10月にはアジアで初となる「CIC Tokyo」(東京都港区)を開設した。福岡への開設が実現すれば、アジアでは「CIC Tokyo」に次ぐ2拠点目となる。

 福岡への開設は、CICの実績を知った西日本鉄道から声をかけたという。会見でCICの創設者兼CEOのティム・ロウさんは「福岡はクリエーティブな街だと考えられている。ほかのアジアの国とも近く、イノベーションを創出できるという意味でチャンスが大きい」と話す。西日本鉄道について「交通会社として福岡の街の形を作った会社だと思う」とし、「開発会社としての実績もあり、福岡の中心的な場所である天神の真ん中でこれから将来的なビルを作るに当たり、われわれにとってパーフェクトなビルであり、パートナーであり、街だと思った」と話す。

 福岡のCICイノベーションキャンパス「(仮称)CIC Innovation Campus Fukuoka」は「(仮称)新福岡ビル」7階への開設を検討する。面積は約3500平方メートル。キャンパス構成はプライベートオフィス、コワーキングスペース、会議室、キッチンスペースや授乳室、仮眠室などのアメニティースペースを予定する。そのほかネットワーキング、メンタリング、教育プログラムを組み合わせた「イノベーション創出プログラム」の提供を想定する。入居企業の集め方や賃料などは現在検討しているという。

 同イノベーションキャンパスは、国家戦略特区「福岡市グローバル創業・雇用創出特区」によりスタートアップ企業が集まる土壌を生かして、誰もが参加できる「イノベーション創設プログラム」を定期開催しイノベーションの創出を推進するほか、アジアに近接する立地を生かし、九州・アジアのイノベーションハブとしての機能を果たし「アジアの拠点都市・福岡」の実現に貢献することを目指すという。

 西日本鉄道の林田浩一社長は「CICという世界トップクラスのイノベーションキャンパスの運営者を迎えることで、天神と九州・アジア・世界がつながるイノベーションのエコシステムが形成されることを期待している」と話す。

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