福岡アジア美術館（下川端町3、TEL 092-263-1100）で6月3日より、「ベトナム近代絵画展」が開催される。

　同展は、ベトナム近代美術史における激動の半世紀を88点の出品作品を通して体系的に日本で初めて紹介するもの。東京・高知・和歌山を巡回し、福岡が最終会場となる。

　ベトナムで代表的なベトナム国立美術館をはじめ、ホーチミン市美術館、ベトナム文化情報省美術写真局、同館の所蔵品を中心に、油絵＝24点、漆絵＝32点、絹絵＝11点、水彩＝13点、版画＝8点を展示。

　「1925年に東南アジア最初の美術学校であるインドシナ美術学校が設立されて以降、ベトナム人画家たちはフランス美術を学ぶ一方で、漆や絹など伝統的な素材を用いた革新的な表現世界を築いてきた。東洋のプチパリらしいモダンで洗練された優美さと、強大な外敵に立ち向かう勇ましさが併存し、高い芸術性と大衆的な魅力を併せ持った独特の世界が特徴」と、同館の山木さんは話す。

　料金は、一般＝800円（前売600円）、高大生＝500円（前売300円）。開廊時間は10時～20時。（写真＝レ・フィ・ホア「協同組合の女性主任」1970年・漆、板・90×60・べトナム国立美術館）

福岡アジア美術館