特集

天神の「人・ひと・ヒト」 Vol.8
折り紙1枚で作るロボット「ORIROBO」作者・フチモトムネジさん

  • 0

  •  

■折り紙パパに

フチモトさんは、小学6年の男の子と小学2年の女の子の2児のパパ。折り紙を始めたのは、当時子どもが通っていた幼稚園での折り紙遊びの時間がきっかけ。「当時ブームだったカードゲーム『ムシキング』を見て、昆虫を折り紙で作れないものかなと。そのころは鶴しか折れなかったので、ハサミで切ったり、くっつけたりして作っていた」という。


完成した昆虫をブログにアップする中、今度は「切らずに1枚で作ろう」とルールを変更。「最初は試行錯誤しながらもカブトムシやクワガタを完成させていくと、今度は子どもたちから動物リクエストが出てきて(笑)。パンダ特集のテレビ番組を見ながら、耳をどうやって黒く出して、ボディを白くして…と考えていくと、なんとなく形になったり。象、熊など夜な夜なチャレンジしてました」という。「パズルゲームの感覚で楽しんで折ってます」。


■第1号「ORIROBO 」が完成

100種以上の動物を完成させ、親子で折り紙に夢中になって約1年。「最初は子どもも大喜びだったが、途中から何でもできると思われ始め、感動が薄れてきていた」という奮闘する折り紙パパの悩みを横目に長男から「ロボット」という次の課題が与えられる。


「『マジンガーZ』世代なので、ロボットは合体するもの」とフチモトさん。試行錯誤の末、上半身と下半身が合体して1体のロボットが完成するスタイルのオリロボが誕生した。その名は「ORIROBO 625」。「6月25日に完成したから」。


本に掲載しているオリロボだけでも19タイプ。誌面では「強さ」や「技」なども表記され、ストーリー仕立てで紹介している。長男のリクエストにより、「ORIROBO 625」は「武器」も入手。「今度は敵を作ってよ」との一言で、パパの手から敵も出現した。「バージョンアップして、装着して遊べる世界観ができあがってきた」とフチモトさん。「折り紙なのでバリエーションも無限。気に入ったものができたときだけ新タイプとして命名。『これ新しいタイプに入れてくれない?』という長男の意見も反映される」とか。


■世代を超えたコミュニケーションツール

本の出版をきっかけに「オリロボ」ワークショップを東京や福岡で開催する機会が増えた。長男がアシスタントとして協力するなど、いいコンビプレーを発揮しているという。「結構、難しいところもあるので親子で協力し合い、楽しんでほしい」とフチモトさん。ワークショップには「孫に折ってあげたい」と年配の方の参加も多いという。「テレビゲームとは違って、年配の方も折り紙自体に抵抗はないはず。さらに折り紙じゃなくても、もっと身近な包装紙でも手軽にできる。世代のコミュニケーションに一役買っているのではという手応えも感じる」とも。


今後は、折り方の動画が見られるiPhoneアプリのリリースが決定しているほか、「イメージ通りのカラーリングを施したオリジナル折り紙の開発も進めたい」と意気込みを見せる。






文・写真/編集部 秋吉真由美





  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース